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山田太一「ハワイアン ウエディング・ソング~マウイの想い出」の感想


山田太一が脚本を担当したドラマ「ハワイアン ウエディング・ソング~マウイの想い出」を見ました。1992年の作品。

山田太一ドラマのすべてに言えるのですが、セリフの一つひとつが人間の心理に鋭く切り込み、人間の真実をあぶり出すのです。視聴率ねらいの連ドラでありえない、シリアスな言葉が次々に飛び出してくる。それが、独自の快感を生むのが山田太一ドラマの特徴だと言えます。

で、今回鑑賞した「ハワイアン ウエディング・ソング~マウイの想い出」ですが、配役が山田太一ドラマの常連は出ていません。「それぞれの秋」で熱演した小林桂樹が出演しているくらい。この小林桂樹が実に良い味を出し、名取裕子と絶妙な掛け合いを見せています。

テーマは「結婚」と「家族」。この使い古されてきたテーマを、面白い設定と視点から描いていて、山田太一の異色作であり、隠れ傑作と呼びたいと感じているのです。

美女と言えるのは名取裕子だけで、あとはいわゆる美男美女はいっさい出てこないという徹底したキャスティング。倍賞美津子井川比佐志白石加代子などの芸達者が脇をかためています。

いくら脚本が優れていても華のはる役者が出ないことには、なかなか面白いドラマはできなもの。しかし、山田太一は、徹底して美男美女に頼らずに、人間の信じるをあぶり出そうとしている。だからこそ、セリフの切れ味、深さが、他のシナリオライターとはまるで違うわけですね。

このドラマの主役は小林桂樹ですが、脇役たちすべてが主役とも言える演出となっています。

派手な演出もありません。味わい深いセリフ、それを活かす、間の使い方が巧みです。

「ハワイアン ウエディング・ソング~マウイの想い出」は、山田太一の他の有名なドラマと比べても引けを取らない魅力にあふれた作品だと断言できます。

山田太一ドラマについては、こちらの記事でも語っています⇒山田太一が脚本を手がけたテレビドラマ

美しい日本語で書かれた作品をまとめました。

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