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ハービー・山口「雲の上はいつも青空」の感想

友人にすすめられて、本当に久しぶりに写真集を買いました。文章もたくさん載っているので、フォト・エッセイと呼ぶべきでしょうか。

その本は、ハービー・山口の「雲の上はいつも青空」。

森山大道も多くの若い人たちから支持されていますが、ハービー・山口もかなりの人気らしいです。

雲の上はいつも青空」を、今日、いきつけのカフェで、じっくりと味わってきました。

なぜ、この本を私が買う気になったかと言いますと、発売日が2011/3/16 となっていたからです。

何十年も前の写真に力があることを私は知っています。今よりも、魅力あふれる被写体が世の中にはあったから。では、現代はというと、「写真の時代は終わった」という言葉があるほど、「撮りたいものが見つかりにくい時代」なのです。

そうした中、ハービー・山口は、どんな写真を撮り、写真について、どのように考えているか、そのことに非常に興味を持ったのです。

で、実際に、カフェで、この「雲の上はいつも青空」を開いて、じっくりと味わってみますと、いろいろと感じるところがありました。

写真

ハービー・山口の写真は、写真自体が写真として主張している時代の写真とは、明らかに違っていました。

「ハービー・山口って、どんな写真を撮っている人なの?」っていう人はこちらをご覧ください⇒ハービー・山口の写真

独自のスタイルとか、奇抜なアングル、斬新な手法とかがあるわけではありません。というか、むしろ、そうした写真(写真家)側からの主張を捨て去っているのが、ハービースタイルなのかもしれません。

山口さんは、ネガティブなことを一切語りませんが、実は心の底では「現代は写真の時代ではない」ということを知りぬいている。その上で、静かに、漂々と、人間を写している。その眼差しは温かいけれども、心情は熱してはいません。

物静かな写真たちは、「今は淡々と語る時なのだ」と悟っているかのようです。

テーマ

このフォトエッセイのテーマは、一言で表現するなら「わたしの歩く道」ということになるでしょう。

「わたしの歩いてきた道」でもあり、「わたしのあるいてゆく道」でもあるのですが、ハービー・山口は現役の写真家なので、今も歩き続けているわけなので「わたしの歩く道」と表現したいのです。

この難しい時代に、何を信じて、どのようなスタンスで、歩いて(生きて)ゆけば良いのか。その問いに、ハービー・山口は写真と言葉で答えています。

ハービー・山口は1950年生まれですから、60歳をこえています。が、この人はたいへんカッコイイのですね。

なぜ、カッコイイかというと、中学2年の時にプロのカメラマンになると決心して以来、わずかなブランクはあったものの、ずっと写真を撮り続けているからです。

一つことを、しかも、自分が一番好きなことを、ずっと続けている人ほど、格好いい人はいないわけです。

ですから、若い人たちに信じてもらえますし、愛されるのですね。

もちろん、そのハービー・山口の写真に魅力があることが前提となっていますが(笑)。

ハービー・山口の写真の最大の特徴はというと、人間に対する温かい眼差しを感じさせることでしょう。

彼自身、たいへん象徴的に、自身の写真観を述べているので、その言葉を引用しています。引用元は「雲の上はいつも青空

人間が人間を好きになる。なんと素敵なことだろう。その一端でも担うことができたら写真家とは素晴らしい存在だと思う。

文章(言葉)

自分のことを語りつつも、自己主張は極力、抑えられています。絶望感、孤独感など、ネガティブなことは語りません。たぶん、現代においては失望し始めると、底なし沼にはまってしまうことを、ハービー・山口は知っていて、次世代をになう人たちにを、励ますこと、勇気を与えることを、主眼にしているからでしょう。

ハービー・山口の写真とエッセイにある「ゆるやかさ」には、渇いた時代を生きる人たちを癒す力があることは間違いありません。なぜなら、彼の持つ「ゆるやかさ」は、曲がりくねった茨の道を知っている人にしか出せない味だからです。

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