シリーズでお伝えしている「文章の書き方講座」。今回のテーマは「手紙」です。

 

ビジネス文書も手紙

 

以前「ビジネス文書は背広である」という言葉について書いたことがあります。女性の場合は背広とは言いませんから「背広」を「スーツ」と書き換えた方が良いでしょうね。

 

必要にして充分なことを確実に伝える、無駄のない文章が、ビジネスでは求められます。

 

そのために「ビジネス文書には形容詞は要らない」「胸ポケットのバラの花も要らない」と言われます。

 

かといって、ビジネス文書は、無味乾燥な事務的な定型文で良いのかというと、決してそうではありません。

 

ビジネス文書も手紙の一種だということを、忘れてはなりません。

ビジネス文書は、英語では以下のように表現されることがあるのを、ご存知でしょうか。

 

Business-getting letter

利益を得る手紙

 

Business-booming letter

繁栄を招く手紙

 

「手紙」という言葉を意識しますと、送り手側から受けて側に送る、メッセージ性が強いことに気づきます。

 

「伝わる、伝わらない」の問題

 

文章で、よく「伝わる」とか「伝わらない」という言葉を使いますよね。

 

伝わる文章を書くためには、読んでくれる人、即ち「読者」を強く意識しなければいけません。

 

「誰に向かって書くか」、それをハッキリ意識しないと、自分の意志なり、気持ちは、なかなか伝わりません。

 

「風花言響(かざはなこだま)」では、何を、誰に向かって、どのように書くか、この「2W1H」を常に、意識して書いてほしいと述べました。

 

ほとんどの人は「誰に向かって(to whom)」の部分が弱いのです。

 

その弱点を修正するためにも、「すべての文章を手紙である」という言葉を、確認してほしいと思います。

 

手紙を書く時に、受け取り人のことを、意識しないで書く人はいませんよね。文章の原点は、自分の思いを相手に伝えることです。

 

手紙の名文を参考にしてください⇒世界一美しい手紙文は?

 

こちらも手紙の傑作⇒芥川龍之介のラブレターは手紙の名作

 

読者を明確にイメージして、その人にラブレターを送る、そんな気持ちで文章を書いてみてください。あなたの文章が、激変するかもしれません。