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シートン動物記1「ロボ」「ぎざ耳」を読んだ感想。

シートン動物記」は映画「ハチ公物語」を見て感動したために、読み始めました。

「シートン動物記」は私が読んだ最初の物語だと言っていいかもしれません。

私は作文が大の苦手でした。小学生の頃、作文を最後まで書き上げたことがありません。最初の数行でつまづき、その先を書くことができないのでした。

ところが、中学一年生の時に私が書いた読書感想文が、賞に入ってしまったのです。

作文が苦手だった私が完成させた初めての読書感想文が、賞状をもらうことに。

実は、その時に選んだ本が「シートン動物記」でした。

難しい本は苦手だった私も、動物記は好きだったのです。テレビの「野生の王国」のような番組はかじりついて見ていたくらいでしたから。

うまい感想文を書いてやろう、優等生的なことを書かなければいけない、という気持ちはありませんでした。

ただ、自分がワクワクしながら読んだ感じを、素直に書いただけだったのです。

そんなわけで「シートン動物記」は、忘れられない思い出の書だと言えます。

ところで、長い歳月を経て、今回再読してみて感じたことを、以下、記すことにします。

阿部知二の翻訳文の読みやすさ

最初に感じたのは、翻訳文の読みやすさです。

私が今回読んだのは、講談社の青い鳥文庫に入っている「シートン動物記1」。

著者は、アーネスト・トンプソン・シートン。訳者は、阿部知二。挿絵は、清水勝。

シートン動物記(1) おおかみ王ロボ (講談社青い鳥文庫) [ アーネスト・トムソン・シートン ]

阿部知二の文章に好感を持ちました。センスが良いし、文学的にも優れていると感じました。

読み物としての面白さ

シートンは話を面白く語ることの名手ですね。とにかく、彼の書く文章は面白い。

シートンの全著作は、事実を元に書かれていますが、フィクションの要素も入っており、ノンフィクションとフィクションの境界線を引くのが難しい作家だそうです。

正直、動物記が事実と大きく離れていたら、面白味は大幅に減ってしまうでしょう。

子供の頃、本を読んだ時に「この話は本当にあったことなの? 事実なの?」という疑問を素直に抱き、その問いを周辺の人に投げかけることが一般的です。

残念ながら、私はもう子供ではありません。大人になって読み返してみて、この話(シートン動物記)が事実であろうが、虚構であろうが、そういうことはあまり意味がないと感じました。

ある時はあたかも動物になりきったかのような視点で、この世界を、人間を見ることができる。また、それを実に生き生きと、興味深く提示してくれる、シートンという天才がいた……それを実感できるだけで幸せです。

今回の私は「シートン動物記」を、文学作品として読みました。

動物文学というジャンルの貴重さ

高安犬物語」などの傑作を書いた戸川幸夫という小説家を私は尊敬しています。

⇒戸川幸夫の小説についてはこちらをご覧ください

もちろん、シートンとはタイプが違いますが、動物を描くことで、人間を、生命を、手ごたえ充分に描き出すという意味では、シートン文学も戸川幸夫文学も、同じ「動物文学」に類するとは言えるでしょう。

今回「シートン動物記」を読み返してみて、この動物文学というジャンルの尊さを改めて知りました。

世界にどれくらいの動物文学があるのかはわかりません。ただ、今後は少しずつでも、それらを読み、このブログ「美しい言葉」で紹介してゆけたらと思います。

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