東京の高円寺は、昨日からの雪で、あたりはまだ真っ白です。

昨日、ようやく、新しい電子書籍の出版にこぎつけたこともあって、最近は仕事に追いまくられっぱなし。

あわただしく過ぎてゆく時間を止めてくれたは、真っ白な雪でした。

 

雪はめったに降らないので、白いものが舞ってくると、何か不思議なことが起きるのではないか、

そんな胸騒ぎがすることって、ありませんか。

実は昨日、2月14日に、本当に不思議な出来事があったのです。

 

夕暮れ時に、ドアホンが鳴りました。めったに私の部屋には訪問客はありません。

来るとしたら、新聞の勧誘か、それとも……

急いでドアを開けると、そこには、雪で真っ白になった宅配の配達員が立っていました。

しかし、荷物が届く予定は思い当たらず、何だろうかと、印鑑を押してドアを閉めてから、

包みを開けようとしたですが、明かりの消えた部屋は暗すぎるので、バルコニーに出ました。

雪明かりに照らし出されたものは……

2014-02-15 16.50.33

 

そう、今日はバレンタインデー、でした。

しかに、荷物には差出人の名がありません。

呆然として、私は寒さも忘れ、美しい小箱を持ったまま天空をあおぎ、

雪の音を聞いているしかできませんでした。

 

一夜明け、ふと、こう想ったのです。

ひょっとして、妖精がチョコレートに姿変えて、私のもとを訪れたのではないか。

妖精の名は、ひょっとすると「初芽(はつめ)」?

「風花初芽」は、私の新作の書名です。偶然ですが、発売日がバレンタインデーと重なったのでした。

 

2月14日。雪の日の突然の訪問者。

窓の外を眺めると、妖精の影が動くような気がして……。

1日過ぎた今日も、その愛らしいリボンを、まだ解けないままでいます。