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映画「学校」で西田敏行が朗読した「夕日」という大関松三郎の詩


山田洋次監督の映画「学校」を昨日、DVDで鑑賞しました。この作品はかなり前にも見ているのですが、ある時、ふと想い出したり、急に見たくなります。

この映画の舞台は、夜間中学。

国語の授業で、西田敏行が朗読する詩、これがとてつもなく素晴らしいのですね。

では、さっそく、その「夕日」という詩の全文をご紹介しましょう。

夕日

夕日にむかってかえってくる
川からのてりかえしで
空のはてからはてまで もえている
みちばたのくさも ちりちりもえ
ぼくたちのきものにも 夕日がとびうつりそうだ
いっちんち いねはこびで
こしまで ぐなんぐなんつかれた
それでも 夕日にむかって歩いていると
からだの中まで夕日がしみこんできて
なんとなく こそばっこい
どこまでも歩いていきたいようだ
遠い夕日の中に うちがあるようだ
たのしいたのしいうちへ かえっていくようだ
あの夕日の中へかえっていくようだ
いっちんち よくはたらいたなあ

奇跡と呼びたくなるほど、豊かな世界ですね。「いっちんち」「ぐなんぐなんつかれた」「こそばっこい」など、素朴な言い回しが、良い味を出しています。

一つひとつの表現について、解説したくなるのですが、野暮なので、やめることにします(苦笑)。

作者は、大関松三郎。昭和19年に、太平洋戦争で戦死した人です。

「日本現代詩辞典」は、大関松三郎について、以下のように記しています。

大関松三郎 おおぜき-まつさぶろう

新潟県古志郡生まれ。高小卒。新潟鉄道教習所に進み機関助手となるが、のち軍属を志して海軍通信学校に入学。1944年、 通信隊員として太平洋戦争にかり出され 南支那海で戦死。小学校時代、生活綴り方運動のリーダー寒川道夫の指導によってすぐれた作文や児童詩を発表して教育界に注目された。北陸農民の生活意識が鋭敏な感性を通じて描かれている。詩集『山芋』がある。

絶望的な時代を生きた、一青年の詩ですが、その「豊かさ」は、言葉を失うほどの衝撃を与えてくれます。その衝撃の意味について熟考すると、現代社会の病理が見えてきそうです。

大関松三郎の詩が収められている「山芋」という詩集が、
今でも買えるので、注文しました⇒山芋―大関松三郎詩集 解説と指導記録 (1966年)

美しい日本語で書かれた作品をまとめました。


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