今回は、さだまさし作詞の「秋桜」をご紹介。

 

秋桜

 

淡紅(うすべに)の秋桜(コスモス)が秋の日の

何気ない 陽溜(ひだま)りに揺れている

この頃 涙脆(なみだもろ)くなった母が

庭先でひとつ咳(せき)をする

 

縁側でアルバムを開いては

私の幼い日の思い出を

何度も同じ話 くりかえす

独り言みたいに 小さな声で

 

こんな小春日和の 穏やかな日は

あなたの優しさが 浸みて来る

明日(あした)嫁ぐ私に

苦労はしても

笑い話に時が変えるよ

心配いらないと笑った

 

あれこれと思い出をたどったら

いつの日も ひとりではなかったと

今更ながら我儘(わがまま)な私に

唇かんでいます

 

明日への荷造りに手を借りて

しばらくは楽し気にいたけれど

突然涙こぼし 元気でと

何度も何度もくりかえす母

 

ありがとうの言葉を

かみしめながら

生きてみます私なりに

こんな小春日和の 穏やかな日は

もう少しあなたの

子供でいさせてください

 

「秋桜」という楽曲のエピソード

 

「秋桜」(コスモス)は、1977年10月1日にリリースされた山口百恵の楽曲で、19枚目のシングルである。「日本の歌百選」に選ばれている。

 

本作は元は「小春日和」というタイトルだったが、曲を聴いたプロデューサー(CBSソニーの酒井政利)の提案で「秋桜」に変更となった。

 

当初、さだまさしはタイトルの「秋桜」を、「コスモス」と読ませるつもりはなく、本来の和名である「あきざくら」とするつもりであった(さだは後に短編小説集『解夏』中に「秋桜(あきざくら)」という作品を出す)。本作のヒットにより「コスモス」というそれまでになかった読み方が広まるようになった(引用元:ウィキペディア)

 

「秋桜」は紛れもない名曲である。

 

ニューミュージックとか、シンガーソングライターとかいう言葉がもてはやされた時代があった。

 

さだまさしは、その中で最も優れた才能であったことは間違いありますまい。

 

もちろん、好き嫌いは分かれるだろう。

 

私自身、さだまさしと敬愛しているわけではない。しかし、今回ご紹介した「秋桜」の作詞と作曲をさだまさしが手掛けており、その両面において、素晴らしいと絶賛したい。

 

この歌詞も、この曲も、ともに語り継がれ、歌いつがれる、名曲である。

 

特にサビの部分「こんな小春日和の 穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る」「ありがとうの言葉を かみしめながら 生きてみます私なりに」という歌詞は、絶賛に値する。

 

これから嫁いでゆく娘と母親との関係性。わずかだが二度とない期間を切り取り、その尊い時の流れの中で繰り広げられる、心理的な葛藤を実直な言葉に定着した手腕は大したもだ。