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山田太一「秋の一族」で原田知世が光っていた件

山田太一が脚本を担当した、NHKの一族シリーズ。これまで「春の一族」「夏の一族」をご紹介しました。

 

今回は「秋の一族」を取り上げます。「冬の一族」は制作されませんでしたので、これが一族シリーズ、最後のレビューとなります。

 

秋の一族-全集-全3話収録 [DVD]

 

鑑賞してから、やはりすぐに感想を書かないといけませんね。印象が日ごとに薄れてゆきます。

 

厳しい言い方をしますと、この「秋の一族が」最も低調な作品です。低調という意味は、全体にちぐはぐな感じがして、ドラマとして、のけぞるほどの魅力はありません。

 

もちろん、そこここに山田太一的な巧さはあります。一人ひとりの俳優さんたちは、頑張っていることは間違いありません。

 

しかし、全体として響き合っていないのですね。

 

特に、 大鶴義丹の大根ぶりと、岸恵子がどうしても浮いてしまっていて、山田太一ドラマとしては、珍しく凡作となっています。

 

緒方拳の出演しているNHKドラマとしては「タクシー・サンバ」があり、これが傑作なので、どうしても「秋の一族」は見劣りがします。

 

もう、ドラマとしての熟成感や完成度は捨てて、緒方拳藤岡琢也の個人技を楽しむという方向もあるかもしれません。

 

個人の俳優ということでは、大鶴義丹の妻を演じた原田知世が、いい味を出していました。妊娠中の能天気な若妻役を好演。

 

ひょっとしたら、もっとも光っていたのは、原田知世かもしれません。若い人向けの連続ドラマとかでは、この原田知世の味は出てきません。大鶴義丹と正反対な性格という設定は効いていました。

 

凡作といえども、そこはそこ、山田太一です。水準以下なわけがなく、もちろん、一度は見ておく価値はあります。

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ショパンのピアノ曲を言葉に置き換えてみる。

文章の書き方ライティング入門講座。今回のテーマは「ドラマチックな語り方」です。

作家のアンドレ・ジードが、ショパンの音楽について、興味深い言葉を遺しています。

さっそく、ご紹介しましょう。

 

まず、言葉をはき、

これに意味を持たせ、

人の気を引いてみ、

これを誘惑し、

ついに、征服する。

 

いかがでしょうか?

何を感じられましたか?

 

ショパンというと、ノクターンとか、甘い調べを想い浮かべる人がおられるかと思いますが、中には、かなり激しい曲もあるのですね。

 

ジードは何を言おうとしているのでしょうか。 この記事の続きを読む

吉川英治が百科事典を50回読んだという話

今回のテーマは「読書の質と量」です。

 

百科事典を50回読んだという話

 

小説「宮本武蔵」「新・平家物語」などで有名な作家の吉川英治は、百科事典を50回読んだそうです。

 

しかも、作家になってからではなく、二十歳前後で東京に出てきて、印刷工場につとめていた頃の話だというから、驚かずにはおられません。

 

こういう話を聞きますと、誰もが「まさか、そんなこと、本当なの?」と首をかしげることでしょう。

 

しかし、どうやら、本当の話らしい。

 

こんなエピソードが残っています。

 

吉川英治、石川達三、大岡昇平、石坂洋二郎、扇谷正造などが、ある料亭で食事をしていました。

 

メニューに「強魚」と書かれていたのですが、誰も、読めないし、どんな魚かも知らない。

 

ところが、吉川英治氏だけが、笑って、答えたという。以下、引用は「吉川英治氏におそわったこと」より。

 

これはシイザカナとよむ。もうお料理はひと通りまでした。しかし、おなかが何でしたら、もう一皿、お酒のオツマミにいかがですかと強いる。ですから、おなかにたまらないものがでる。たぶん、ムシガレイでしょうよ

 

本当に、ムシガレイが出てきたそうです。

 

その場に居合わせた扇谷正造は「吉川さんは百科事典を五十回よんだというのは、ほんとうだな」と感じたと言っています。

 

吉川英治は家が貧しくて学校に行けなかったので、働きながら猛勉強したのですね。それにしても、凄まじいまでの向学心には驚かされます。

 

吉川英治の名言を、私は座右の銘にしています。

 

「われ以外みなわが師」は吉川英治の名言です。

 

圧倒的な量を読む

 

文章力を養うには、読書が必要であることは、風花未来のメルマガでも何度も述べています。

 

2011年の「こだま」では、作品を選んで、暗唱していただきました。

 

愛する一つ作品を、何度も読み、暗記してしまうのは、読書の「質」の追求です。

 

その一方で、大切なのが、圧倒的な量を読むことです。

 

なかなか、百科事典を1回どおり読むのもたいへんですが、量を読むことは、文章力の下支え(ベース)になることは、間違いありません。

 

私の場合は、ある程度は「質」の追求はしてきました。 しかし、体が弱いせいもあり、それほどの量は読んでいません。これまでに読んだ本は、軽トラック2台分程度にしか過ぎません。

 

これから、読書をガンガンするぞ、と意気込んでいる人は、ぜひとも、読者の「質」と「量」の両方を、追求してみてください。