谷村新司がソロで歌う「雪の音」の歌詞が、しっとり心に沁みる。

 

雪の音

 

作詞:谷村新司 作曲:谷村新司 発売年:1976年

 

胸いたみ眠られず

ふるさとは遥か遠く

乱れて落ちる春の雪さえ

心にうれしく静かに目を閉じる

 

雪の音 聞く夜更け

そらぞらしい 街あかり

道ゆく人の話声だけ

かすかに ひびいて 聞こえる 一人枕

 

古い手帳の君の名前も

今では静かに見れる夜

 

ひとしきりため息を

手にとりし古本の

破れ表紙に黒インクで

綴るは意味さえわからない言葉

 

いたむ胸 押えつつ

寝返りを打ってみる

時計の音がやけに気になる

最終電車も今しがた 走り去った

 

古い手帳の君の名前も

今では静かに見れる夜

鳴るはずのない電話

出すあてのない手紙

雪にこの頬うずめるような

激しく燃えるような恋なら してみたい

 

スマホはおろか、携帯電話もパソコンも普及していなかった時代に書かれた歌詞がいい。

 

1976年の発売というこだから、VHSのビデオさえもなかった時代である。

 

当時の独り暮らしの若者は、貧乏で自宅にテレビもなく、ラジカセで音楽を聴くのが楽しみだったという。

 

想えば、本当に良い時代だった、と言えるだろう。

 

毎日、どこでも、いつでも、スマホを気にしていなければならない、世知辛い現代社会で聴けない、心のゆとりが、この「雪の音」にはある。

 

「静けさ」「静寂」の素晴らしい価値を、当時の日本人は知っていた、そう感じさせてくれる楽曲と歌詞である。