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映画「孤高のメス」で堤真一と夏川結衣が、人間味あふれる外科医と看護師を熱演。

精神的に渇いてくると、ふと見たくなる映画があります。それが「孤高のメス」。今回で4回目の鑑賞です。

 

今回はアマゾンプライムで見ました。

 

「孤高のメス」は、2010年6月5日に公開された日本映画。監督は成島出。原作は漫画の「メスよ輝け!!」です。

 

映画としては大傑作というわけではありませんが、確かな成功を得ています。

 

映画の成功の原因のひとつに、看護師の夏川結衣の視点から描き出していること。夏川結衣のナレーション(語り)で物語を進行していることです。夏川結衣の気負いのない語りによって、この映画が温もりの感じられる映画になったのだと思います。

 

この映画の最大の美点は、何と言っても、描出された人間像の魅力が際立っていること。

外科医の堤真一、彼を慕う看護師を夏川結衣が、実に人間味あふれる人物像を演じきっていて、何度見ても心が温もるのです。

 

いろんな映画がありますが、登場人物を好きになるってことは、あるようで、なかなかありません。

 

原作の漫画は読んでいませんが、読む必要性をまったく感じないのです。

 

すばらしいのは、ストーリーではありません。堤真一が演じた外科医の当麻鉄彦であり、夏川結衣が演じた看護師の中村浪子です。

 

漫画と違って現実味があります。ひょっとすると、こういう外科医が、こういう看護師がいる、と錯覚してしまうほど、二人の演技にはリアリティがありました。

 

医療ものの映画やドラマはもともと好きなのですが、最近はあまり見ません。物語設定や装置が大げさすぎて、現実感がないからです。

 

しかし、この「孤高のメス」は、地方の市民病院を舞台に繰り広げられます。いわゆる田舎の病院の「ありそうな話」なのです。

 

真っ直ぐで、欲がなく、人間への愛情があるれるほどあって、都はるみが好きな、腕のいい外科医。

 

不器用で、お人よし、ちょっと鈍くさくて、人一倍の努力家で、最後に都はるみが好きになった、心優しい看護師。

 

こういう人間が一人ぐらいいてもいいのではないか、いたとしたら素晴らしいし、自分も何だか明日から希望を持って生きられそうな気がする……。そう思わせてくれるのが、映画「孤独のメス」なのです。

 

ここまで来れば、映画としての完成度などを論じる必要もありません。堤真一と夏川結衣だけを追いかけて、約2時間、たっぷりと癒されていれば良いのです。

 

夏川結衣について

 

夏川結衣は日本のドラマや映画には欠かせない名女優だと私は感じています。

 

夏川結衣は実に作品に恵まれた女優ですね。

 

女優として素晴らしくても、作品に恵まれない女優さんもいます。

 

ドラマでは全盛期の豊川悦司と共演した「青い鳥」、男盛りの渡辺謙と共演した「遠まわりの雨」は、ともに傑作です。映画「孤独のメス」で共演した堤真一も最も脂ののった時期でした。

 

作品に恵まれ、共演した男優に恵まれてきた女優さん、それが夏川結衣なのです。

ドラマ「人間の証明2017」で藤原竜也が、哀愁の刑事を好演。

少し前に、映画の「人間の証明」について書きました。その記事はこちら⇒映画「人間の証明」

 

今日は、ドラマの「人間の証明」をAmazonビデオで見た感想をお伝えしますね。

 

「人間の証明」は、ドラマスペシャルとして、テレビ朝日系列で2017年4月2日21:00 - 23:10に放送されました。放送されて1ヶ月も経っていないのに、アマゾンビデオになるとは早いですね。

 

主演は藤原竜也で、哀愁を帯びた刑事を好演。コンビを組んだ刑事役には緒形直人。ジョニー・ヘイワードの母親役を、鈴木京香が演じました。

 

最初の30分くらいは、藤原竜也が刑事っぽくなくて、違和感があったのです。どうしても、映画の松田優作と比較してしまいますからね。

 

でも、物語が進行するにつれて、藤原竜也の過去も明らかにされ、彼の哀愁を帯びた表情の理由がわかり、今回の藤原竜也の演技が見事であると感じるようになりました。

 

先ほど見終ったばかりですが、正直、こちらのドラマの方が良いかもしれないと思ったほどです。

 

西条八十の「ぼくの帽子」という詩を朗読する、藤原竜也の声もなかなかいい。ラストシーン、雪が降り始め、詩のフレーズと呼応し始めた時、鳥肌が立ちました。

 

西条八十の詩「ぼくの帽子」の全文はこちらで読めます。

 

全編、映画と違って大げさな演出はなく、静かに物語は進行してゆきますが、心理描写はドラマの方が深いと感じました。ドラマ作品としても、秀逸の出来栄えであると賞賛したくなったほどです。

三浦友和が主演した映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」の感想

鉄道員を主人公にした映画で思い浮ぶのは、ピエトロ・ジェルミが監督・主演した「鉄道員」、高倉健が主演した「鉄道員(ぽっぽや)」です。

 

特に、ピエトロ・ジェルミの「鉄道員」は、映画史に残る傑作として有名。

 

それに比べ、映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」は、映画としては凡作です。

 

脚本、カメラワーク、演出、キャスティングなど、秀逸なところを見つけようと思っても困ってしまいます。

 

それなのに、こうして感想を書こうと思ったのは、ただ一点、三浦友和の存在感です。

 

「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」は「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」に続く、富山地方鉄道運転士のドラマを描く、地方鉄道を焦点にしたRAILWAYSシリーズ第2弾。監督は今作がデビューとなる蔵方政俊。出演は三浦友和。

 

この映画自体が、三浦友和にそれほど難しい演技を要求しておらず、結局は、中年になった三浦友和が普通に演じているだけとも言えます。

 

三浦友和の演技は上手くもなく、下手でもありません。演技力という点では、妻役を演じた余貴美子の方が上でしょうね。

 

でも、この映画は文句なく、「三浦友和の映画」であり、三浦友和を楽しむために生まれた映画のような気さえするのです。

 

三浦友和は、素直に良かったと思います。若い時の三浦友和を知っている人は、ギャップもまた楽しみの一つになるのではないでしょうか。

 

ともかく、三浦友和が渋い。そして、可愛い。

 

正直、こんな定年オヤジなど、現実にはいません。何かが庶民とはかけ離れている。それが、この映画の魅力かもしれない。

 

鉄道員として平々凡々に生きてきた定年男にしては、特別なオーラを出していて、ずっと見てしまうのです。

 

映画を見るというより、三浦友和の顔の表情、動きを追いかけているという感じでした。