風花未来の今日の詩は「まだ生きている」です。
2025年5月21日に、手術は10時間半にわたって行われ、肝臓にある癌腫瘍が、14個切除されました。
術後に訪れた副作用の「せん妄」は、怖ろしかったです。幻覚があらわれ、毎日、悪夢にうなされた。
想像を絶した試練が次々に私を襲う。
さすがに、心が折れそうになることも……。
疲れ果てて横になっていた時、浮かんできたのが、今日の詩です。
まだ生きている
まだ生きている
まだまだ生きている
風花未来の今日の詩は「青葉若葉の輝きを」です。
⇒【動画】風花未来が自身の詩について激白!
青葉若葉の輝きを
五月の森は
真昼の陽光を浴び幻想的に
輝いている
青葉若葉のきらめきは
まるで魔法だ
新緑萌える森には
命そのものを
奮い立たせるオーラが
満ちあふれている
眼には見えない
不思議な力が
光を発し
風を起こしている
まぶしい光を浴びて
私の命も
萌えようと
病にあらがっている
手術を来週にひかえた
今の私にできることは
ほとんど何もない
ただ
この青葉若葉の輝きを
眼に焼きつけて
手術に臨みたい
風花未来の今日の詩は「薔薇という名の妖精」です。
⇒【動画】風花未来が自身の詩について激白!
薔薇という名の妖精
濃い紅から
薄い桃色の花びらの
繊細をきわめた
濃淡の寄り添いが
甘やかな気品を
かなでている
しめやかな朝霧に
包まれながら
澄んだ空気の中に
咲き出ているのは
薔薇という名の
妖精だとわかった
数ヶ月前
余命わずかと宣告され
私は生死の境を
さまよっていた
天上界と
地上界を
往き来しつつ
天使に幾度も出逢った
抗がん剤投与が
休止になってからは
天使はあらわれなくなったが
大手術を
1週間後に
ひかえた今
今度は妖精が
薔薇の花に姿かえ
時空を超えて
地上に降りてきた
そのように見える
私は息を深く吸い
ゆっくりと
吐息をついた
薔薇という名の妖精は
言葉を発しないが
大きな瞳で
すずしげに
私を見つめている
いや
そっと
見守って
くれているのだろう
ほのかな
朝霧に包まれたまま
私は帰途につく
背中に
妖精の視線を
感じながら
「天使」とか「妖精」とか、天国からの使者とも呼ぶべき存在が、風花未来の詩には、しばしば登場します。
「天使」が出てくる詩は以下のページにまとめまいたので、よろしければ、お読みください。
神妙なグラデーションが美しい薔薇の花を、自宅の近くで見つけましたので、ご紹介しておきますね。