みんなちがって、みんないい」というフレーズで有名な金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」を読み返してみた。

 

 

さっそく、引用してみましょう。引用元は「金子みすゞ名詩集(彩図社)」

 

私と小鳥と鈴と

 

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速く走れない。

 

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。

 

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

 

私と小鳥と鈴と」の魅力

 

これほど、解説が必要のない詩は珍しい。

 

誰でも理解できるし、誤読のしようがない作品です。

 

詩というと、一般人にはなかなか計り知れない深淵な真実が暗示的に表現されている、という先入観を持っている人が多いのではないでしょうか。

 

いえいえ、詩はわかりやすいほど良いのです。

 

駄作と呼ばれる詩を定義するなら、大して主張したいこともないのに、意図的に難しくしているものを指します。

 

では、金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」は、どうでしょう。

 

簡単にわかるけれど、そこには人間にとって実に切実なテーマが表出されており、感動を禁じえません。

 

金子みすゞのプロフィール

 

金子みすゞ(1903年(明治36年)4月11日 - 1930年(昭和5年)3月10日)は、大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した日本の童謡詩人。

 

1923年(大正12年)9月に『童話』『婦人倶楽部』『婦人画報』『金の星』の4誌に一斉に詩が掲載され、西條八十からは「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛された。

 

多くの優れた近代詩人がそうであるように、金子みすゞも短命であった。わずか26年の生涯を服毒自殺で終えている。