今回は、金子みすゞの詩「明るいほうへ」をご紹介。

 

引用元は「金子みすゞ詩集(彩図者)です。

 

明るい方へ

明るい方へ。

 

一つの葉でも

陽の洩(も)るとこへ。

 

薮かげの草は。

 

明るい方へ

明るい方へ。

 

翅(はね)は焦(こ)げよと

灯(ひ)のあるとこへ。

 

夜飛ぶ虫は。

 

明るい方へ

明るい方へ。

 

一分もひろく

日の射(さ)すとこへ。

 

都会(まち)に住む子等は。

 

植物も、昆虫も、人間も、生きとし生けるものはすべて、光を求めて生きます。

 

なぜ、こんな当たり前なことを、金子みすゞは詩にしたのか?

 

人生の闇を知りぬいた人だからだ、そして、金子みすゞ自身も、生涯、光を求めて生き続けた人だからではないでしょうか。

 

金子みすゞの詩は、私たちにとってかけがえのない「光」ですが、金子みすゞ自身は、深い「闇」の底の冷たさを知っている……だからこそ、私たちを「明るいほうへ」導こうとしてくれている、そんな気がしてなりません。

 

金子みすゞの詩の大きな特徴の一つに「光と闇のコントラスト」があります。金子みすゞの光と闇については、詩「大漁」の感想で詳しく書きましたので、よろしければお読みください。

 

金子みすゞの詩「大漁」の全文と感想はこちら

 

当ブログではこれまでに以下の金子みすゞの詩を取り上げています。

 

みんなちがって、みんないい~金子みすゞ「私と小鳥と鈴と」より

 

こだまでしょうか、いいえ、誰でも。 金子みすゞ詩集百選

 

⇒その他の金子みすゞの詩はこちら