風花未来の今日の詩は「薔薇という名の妖精」です。
- 風花未来が、風花未来の詩について動画で語りましたので、ぜひとも、ご視聴ください。
⇒【動画】風花未来が自身の詩について激白!
薔薇という名の妖精
濃い紅から
薄い桃色の花びらの
繊細をきわめた
濃淡の寄り添いが
甘やかな気品を
かなでている
しめやかな朝霧に
包まれながら
澄んだ空気の中に
咲き出ているのは
薔薇という名の
妖精だとわかった
数ヶ月前
余命わずかと宣告され
私は生死の境を
さまよっていた
天上界と
地上界を
往き来しつつ
天使に幾度も出逢った
抗がん剤投与が
休止になってからは
天使はあらわれなくなったが
大手術を
1週間後に
ひかえた今
今度は妖精が
薔薇の花に姿かえ
時空を超えて
地上に降りてきた
そのように見える
私は息を深く吸い
ゆっくりと
吐息をついた
薔薇という名の妖精は
言葉を発しないが
大きな瞳で
すずしげに
私を見つめている
いや
そっと
見守って
くれているのだろう
ほのかな
朝霧に包まれたまま
私は帰途につく
背中に
妖精の視線を
感じながら
「天使」とか「妖精」とか、天国からの使者とも呼ぶべき存在が、風花未来の詩には、しばしば登場します。
「天使」が出てくる詩は以下のページにまとめまいたので、よろしければ、お読みください。
神妙なグラデーションが美しい薔薇の花を、自宅の近くで見つけましたので、ご紹介しておきますね。