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- 日本語 - 敬語の正しい使い方
日本語で難しいのが「敬語」ですよね。私も決して得意ではありません。
今回はちょっと気になっている言い回しがあって、これは文法的に間違いなのか、許されるのか、書いてみたいと思います。
その言い回しとは「されてください」です。
ネット上でもよく目にするし、テレビでもときたま耳にしたりもしますよね。
「されてください」は、最初に読んだ時から違和感があって、気持ちが悪いというか、おそらくは間違いなのだろうけれど、それを文法的に説明するのは面倒なので、あえて無視してきたというのが現状です。
言葉というものは、読んだり、聞いたりして、違和感を覚えるようだと、だいたいは文法的にも間違っていることが多いみたい。
結論から言いますと、以下のとおりです。
×されてください
○なさってください
さて、「されてください」を文法的にチェックしてみましょう。似たケースが多々ありますので、応用がきくようになるためです。
■「される」は連語で、サ変動詞の未然形「さ」に助動詞「れる」の付いたもの。「する」の尊敬の用法。なさる。
例えば「先生が講義をされました」、「充分に堪能されましたか」「どのように販売されたのですか」というふうに使います。
■「ください」は、動詞「下さる」の命令形。本来は「くださいまし(ませ)」で、その「まし(ませ)」の略された形。
相手に何らかの動作をすることを請い求める意を表します。動作の依頼ですね。
「くださる」は、動詞の連用形に「お」の付いた形、動作性の漢語に「ご(御)」の付いた形、動詞の連用形に「て(で)」の付いた形などに付いて、動作をする人に対して、その動作を受ける者の立場から敬意を表す。
では、「する」の尊敬用法と敬意を表す「くださる」の合体ならば、文法的に間違いないとも考えられそうですが、それがどうやら正しくないみたい。
例えば、目上の人を新入社員の歓迎会に招待したい場合、「どうぞ、ご出席されてください」ではおかしいので、「ご出席ください」、「出席なさってください」「どうぞ、ご出席くださいませ」が正しいでしょう。
「ご出席なさってください」の場合、「出席」の前に「ご」をつけると、「ご」「なさる」「ください」と三つも敬語が入ってしまい、くどいので「ご」は削除した方が良いのです。
メールの場合は、丁寧すぎる言い回しは簡潔さに欠けるので、「ご出席ください」でOKだと思います。
つまり「する」の尊敬語は「される」と「なさる」があるのですが、「~ください」と続けて使う場合には「なさってください」が適切なのです。ですから「されてください」は間違いと言わねばなりません。
「ご入室されてください」は間違いで、「ご入室ください」「入室なさってください」「入室くださいませ」の方が正しいのです。
こちらの記事も参考にしてください⇒「なさる」と「される」の違いは?
最後にまとめますと、敬語には以下の3種類があります。
尊敬語:相手をうやまう言葉。
謙譲語:自分がへりくだることで相手に敬意を表す言葉。
丁寧語:改まった気持ちで、言葉遣いを丁寧にしたりする時に用いられる言葉。「です」「ます」や接頭語の「お」も丁寧語のひとつ。
「する」は、尊敬後「なさる」、謙譲語「いたす」、丁寧語「します」というふうに使われます。
結論です。
動詞にはたいていの場合、2種類の尊敬語があります。
「行く」→「いらっしゃる」「行かれる」
「言う」→「おっしゃる」「言われる」
「する」→「なさる」「される」
「会う」→「お会いになる」「会われる」
「聞く」→「お聞きになる」「聞かれる」
これら動詞を使って、人に動作を依頼するために「~してください」と言う時は、「~れてください」とは言わないことです。
つまり「行かれてください」「言われてください」「されてください」「会われてください」「聞かれてください」ではなく、「いらっしゃってください」「おっしゃってください」「なさってください」「お会いになってください」「お聞きになってください」が正しいのです。
間違わないためには「~れる」という尊敬語はできるだけ使わないことが賢明と言えるでしょう。
■二重敬語に注意
ここで注意すべきは、尊敬語のバリエーションがある言葉です。尊敬語が一つしかないのであれば、問題ないのですが、例えば「来る」などは、実にたくさんの尊敬語があります。
「来る」の尊敬語は「来られる」「おいでになる」「お見えになる」「いらっしゃる」「お越しになる」と実に豊富。
つい間違って「二重敬語」を使ってしまいがちです。
「今朝おいでになられた」は二重敬語ですから「おいでになった」で充分なのです。
この場合も「来られてください」とは言いませんよね。「おいでください」「いらっしゃってください」が正しい。
また「言う」の尊敬語は「おっしゃる」「言われる」ですが、「おっしゃられる」は過度な敬語だというべきでしょう。
この場合も、「言われてください」ではなく「おっしゃってください」が正しい。
ここで気づくのですが、受け身と尊敬と両方の意味のある言葉、例えば「言われる」ならば「おっしゃる」を、「思われる」ならば「お思いになる」を使った方が、勘違いされませんよね。こういう点も、敬語を使う場合は考慮した方が親切と言えそうです。
「二重敬語」については、以下のページをご覧ください。
もっと厳密な文法的な解説方法があるのかもしれませんが、できるかぎりわかりやすくとなると、以上の説明になるかと思います。
( -_・)? V !
昨今の乱れた敬語は、英語教育以前の国語崩壊の危機にあると思います。
福岡に引っ越した時、普通に〜なされてくださいと使っているようでした。始め聞いた時は違和感を感じたのですがみんなが使っているので慣れました。しかし、やはり正しい敬語ではないのですね
Twitterで 「暖かくされてください」って 綴ってた女性いたけど 変な日本語って 思った。
福岡ではみんな使うから福岡に限っては方言の扱いでいいと思う。
私も福岡に引っ越してきましたが、初め「お茶飲まれてください」と言われた時、え?と思いましたが、みんな言うので慣れました。南九州は言うのかな、北九州は割と使います(佐賀とか)。
『鬼滅の刃』で「温泉に入られてください」と出てきて 世界的な映画になっているのに 2回 言っていて 気持ち悪いと思って検索させていただきました。