カテゴリー:間違えやすい日本語

文化庁が実施した平成30年度の「国語に関する世論調査」によると、憮然(ぶぜん)」の意味を本来の「失望してぼんやりとしている様子」ではなく、「腹を立てている様子」だと思っている人の割合が56.7%にも上ることが判明しました。

また、「砂をかむよう」の意味を本来の「無味乾燥でつまらない様子」ではなく、「悔しくてたまらない様子」だと勘違いしている人の割合は56.9%、「御の字」を本来の「大いにありがたい」ではなく、「一応、納得できる」と間違えている人の割合も49.9%にも達していました。

正解と誤用の例をまとめると以下のとおりです。

憮然

×腹を立てている様子
〇失望してぼんやりとしている様子

砂をかむよう

×悔しくてたまらない様子
〇無味乾燥でつまらない様子

御の字

×一応、納得できる
〇大いにありがたい

このほか「天地神明に誓って」を「天地天命に誓って」と、「論陣を張る」を「論戦を張る」と誤用している割合も、それぞれ5割前後に上るという結果が出ました。

調査は国語への理解や意識を深めるため平成7年度から毎年実施しており、今回は16歳以上の男女3590人に面接し、1960人から回答を得たとのこと。

「的を得る」と「的を射る」に関する記事を当ブログが最初に投稿したのは、2011年10月27日でした。

久しぶりに読み返してみて、また辞書も調べなおして驚いたのは、Weblio類語辞典の記述が変わっていたことです。当時は「的を射る」の類義語だった「核心をつく」が「的を射る」の類義語から外されていました。

「的を射る」「的を得る」の言い換え表現として、「核心をつく」を推奨したのは他でもない私なので、この変化(辞書側の修正)には思わず、声がもれてしまったのです。

10年近く時が流れると、いろんな面で言葉の変化は避けられないということでしょうか。

では、以下、本日、2019年6月26日の改訂版「的を得るは間違いで『的を射る』が正しい?」をお伝えします。 この記事の続きを読む

顔がきく」の「きく」を漢字になおしてください。迷わずに、書けるでしょうか。

では、以下の例文のうち、正しい使い方を選んでください。

1)鈴木さんはこの界隈では顔が効くので、任せておいても何ら心配はありません。

2)鈴木さんはこの界隈では顔が利くので、任せておいても何ら心配はありません。

正解は2。

顔が利く」が正しい日本語で「顔が効く」は間違い。

「顔が利く」は「信用や権力があって、相手に便宜をはかってもらうことができる、相手に無理が利く」という意味。

「顔が利く」の「顔」は「一定のエリアや社会においての知名度や勢力」を示しています。

「顔が効く」は間違いで「顔が利く」が正しいと暗記しても良いのですが、この機会に「効く」と「利く」の違いを確認しましょう。

「利く」は「機能が働く。可能である」という意味。

「鼻が利く」「つけの利く店」「機転が利く」「気が利く」「融通が利く」「小回りが利く」「学割が利く」「無理が利く」というふうに使います。

「効く」は「効果が現れる」という意味。

「薬が効く」「宣伝が効く」「パンチが効く」というふうに使います。

いかがでしょうか? 無事に使い分けられますか。

紛らわしくて、不安の場合には「きく」とひらがなで書くと無難でしょう。

合いの手を入れる」と「合いの手を打つ」も、間違えやすい日本語なので注意が必要です。

以下の例文のうち、正しい日本語の使い方ができているのはどちらでしょうか?

1)会社の定例会議で同僚の意見に、私は合いの手を入れた。

2)会社の定例会議で同僚の意見に、私は合いの手を打った。

正解は、1の「合いの手を入れた」です。

まずは「合いの手」という言葉の意味を確認しておきましょう。

「合いの手」は「歌や踊りの調子に合わせて入れる手拍子や囃子詞 (はやしことば) 」を指します。また、そこから派生して「相手の動作や話の合間に挟む別の動作や言葉を意味するようになったのです。

相槌を打つ」と混同して、「合いの手を打つ」とするのは誤りなので注意してください。

また「相槌を入れる」という言い方も間違いです。

「相槌」は「 鍛冶 (かじ) では、二人の職人が交互に槌を打ち合わすこと」から「相手の話にうなずいて巧みに調子を合わせる」という意味になった言葉。

このことを知れば「相槌を入れる」と間違えてる失敗はしなくなるでしょう。

最後のまとめます。

「合いの手を入れる」が正しい日本語で、「合いの手を打つ」という日本語はありません。

また「相槌を打つ」が正しく、「相槌を入れる」は間違いです。