「うきめ」は「つらく悲しいこと。つらく悲しい経験」を意味する言葉です。
「落選のうきめにあう」 「敗戦のうきめをみる」というふうに使います。
では、「うきめ」を漢字で書いてみてください。
「憂き目」でも「浮き目」でも、どちらでも良いと思っていませんか?
正しいのは「憂き目」であって、「浮き目」は間違いです。
〇憂き目
×浮き目
どうしてのこのような誤用が起きるのか?
「うきよ」という言葉の存在が、問題をややこしくしています。
「うきよ」の場合は、もともとは「憂き世」と書かれていたのが、現在では「浮き世」が一般的に使われているからです。
△憂き世
〇浮き世
「憂き世」の「憂き」は「つらい・せつない」という意味の古語。
「つらい世の中」を指す意味で「憂き世」と書いたのが、のちに「浮き世」と書かれるようになり、今では「浮き世」の方が一般的となりました。
また、日常ではほとんど使われませんが「浮世(ふせい)」という漢語があります。
「浮世(ふせい)」は「定めのない、はかない世の中」という意味。この「浮世(ふせい)」という言葉には「はかない世なら、浮かれて暮らそう」という俗世の気持ちも含まれています。
おさらいしましょう。
「うきめ」は「憂き目」が正しく「浮き目」は間違い。
「うきよ」は「浮き世」が一般的で「憂き世」は古い書き方。