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カテゴリー:外国の名作映画・ドラマ

第3の愛」という中国映画をご存じでしょうか。

韓国の人気俳優である、ソン・スンホンが主演。彼の声が中国語の吹き替えになっていて、違和感を覚えました。

しかし、それも恋人役を演じた女優が凄すぎ、あっという間に映像に没入できたのです。

その女優の名は、リウ・イーフェイ。中国人です。微妙な心理の揺れを表現できるだけでなく、その表現力は芸術の域にまで達していると感じました。

ソン・スンホンも二枚目俳優の中では、演技力のある方ですが、リウ・イーフェイの引き立て役にまわってると見えたくらいです。

もちろん、リウ・イーフェイの魅力を引き出してるのは、映画監督の手腕でありましょう。

カメラワーク、フレーミング、パンフォーカスが少なく、ボケ味を生かした美しい映像は、詩的でさえあります。

映像がきれいすぎて、プロモーションビデオのように感じる時もありましたが、主人公の二人の演技はうまいので、安っぽい感じはしませんでした。

これだけの完成度を誇示できる映画監督は誰だろうかと思ったら、あの映画「私の頭の中の消しゴム」のイ・ジェハンでした。

映像の美しい、デリケートな心理描写に優れた監督ですね。

ジャンル分けするなら、ラブロマンスですが、単なるエンターテインメントというには、もったいないようなセンスの良さが光っています。

ただ、ヒロインの妹の存在はいかがなものかと思いました。もしも、この妹がいなかったら、もっと深く二人の愛を描けたのではないでしょうか。

妹をご都合主義的な演出に利用したために、物語のリアリティが損なわれているのが残念です。

しかし、それは唯一の決定であって、総合的には、ハイレベルな映画です。

リウ・イーフェイの他の作品を、ぜひ見たいと思います。それと、イ・ジェハン監督の映画も。

映画「終着駅」を初めて鑑賞しました。有名な映画ですが、なぜか、今まで見ていなかったのです。

「終着駅」は、1953年に公開された、米伊合作映画。監督は名作「自転車泥棒」や「ひまわり」などで知られる、イタリアの名匠・ヴィットリオ・デ・シーカ

主演は、ジェニファー・ジョーンズモンゴメリー・クリフト。二人芝居と言っていいくらい、二人だけ(二人を中心としたカメラアングル)のシーンが極めて長い、珍しい構成となっています。

いわゆる、メロドラマです。ただ、単なるメロドラマを、ここまで情緒豊かに仕上げた、映画監督の手腕には驚かされます。

モンゴメリー・クリフトはただ顔がいいだけの大根役者かもしれないのですが、持って生まれた雰囲気は素晴らしい。その顔の表情と雰囲気を最大限に生かされていました。

ありきたりなラブロマンスに堕していないのは、たぶん雑踏や群衆の描き方が巧みだからでしょう。

メロドラマなのに、これほど群衆が出てくる映画を他に知りません。貧しく、時には品性に欠ける庶民たちの表情や風情が、二人の美男美女を悲しいまでに際立たせます。

それと、顔のアップが多いのも、この映画の特徴のひとつ。

モノクロ映画の良いところは、出演者の顔に注視できること。誰も乗っていない汽車の中のラブシーンは、歴史に残る名場面といっていいでしょう。

見る側は他の情報が何もないので、二人の表情に集中できるのです。この極めて感度の高い集中を生み出した名シーンは本当にすばらしい。光と闇、男と女、そして愛、それしかこのシーンにはないのです。

ともあれ、「終着駅」は古き良き時代の映画の良さを凝縮させた、名画であることは間違いありません。

ジェニファー・ジョーンズという女優をご存じでしょうか。名前を聞いただけで、彼女の代表作を列挙できるとしたら、あなたは相当な映画マニアですね。

あの名作映画「慕情」の主演女優だと言えばおわかりでしょうか。モンゴメリー・クリフトと共演した「終着駅」も有名です。

私は最近、ジェニファー・ジョーンズが主演した「ジェニイの肖像」という映画を見たのですが、なかなか良かったですよ。

で、今回ご紹介する映画は「黄昏(たそがれ)」です。 この記事の続きを読む

世の中に名作映画と言われる映画はたくさんありますが、その中でも、名画中の名画と賞賛されるのが、この「素晴らしき哉、人生!」です。

原題は(It's a Wonderful Life)。1946年のアメリカ映画。監督はフランク・キャプラ

主演は、ヒッチコック監督の名作「裏窓」や「めまい」に出演している、ジェームズ・スチュアート

名作であることは知っているのですが、これまでに何度か見ようとして、途中で挫折してしまい、最後まで見られなかったのです。

かつて「禁じられた遊び」を、10回以上も挫折したという苦い経験が、私にはあります。「名作ゆえの退屈さ」が、私を苦しめる時があるのです。

おかげさまで、この「素晴らしき哉、人生!」は、3回目の挑戦で、しっかり、感動できました。

今回、最後まで鑑賞してみてわかったのですが、中盤までは会話がやたらと多くて、感情移入がしにくいところがあります。ラスト15分。天使と主人公が出逢ってから、スイッチが入ったかのように、俄然、面白くなります。

クリスマスの日に奇跡が起こるという設定であるため、今ではクリスマス映画の定番としてアメリカでは親しまれているそうです。

日本では、他のアメリカのクリスマス映画と比べて、放送された回数は少ないのではないでしょうか。おそらく、中盤までの退屈さが、ネックになっているのだと思います。

しかし、今回の鑑賞で、ラスト15分が最高に面白いということがわかったので、これからは、大丈夫。前半から終盤までのすべてが、ラスト15分のための伏線なのです。

そう思って見直すと、細部までまた違って面白さが浮き立ってきそうです。ジェームズ・スチュアートの演技を中心に、何度も楽しめるでしょうね。

この映画「素晴らしき哉、人生!」は、その構成からも、1回だけでなく、何度も繰り返し見て楽しむ名作映画だと言えます。