今井正が監督した映画「橋のない川」をご覧になったことがあるだろうか。
テーマが「部落差別問題」であることから、最後まで観るのは辛すぎると感じる人は少なくないだろう。
しかし、こうした事実も知っておかないと、より良い日本をつくろう、などと言っても、ただの綺麗ごとになってしまいかねない。
歴史は残酷である。だが、その残酷な歴史から、眼をそむけてはならない。
映画「橋のない川 第一部」は、1969年に公開された日本映画である。「橋のない川 第二部」は1970年に公開された。
監督は名匠として評価が高い、今井正である。
今井正の手腕が、この映画が長く鑑賞にたえうる価値を与えていることは間違いない。
随所に「見事だ」と唸らざるを得ない、名シーンが見られる。
鑑賞前にいろんな知識を得ようとするのではなく、フリーハンドで観てほしい。
自分の感性を信じて、真摯に映画「橋のない川」と向き合ってもらいたい、と切に願うばかりである。