先日、NHKのBS放送に山田洋二監督が出演していて、日本映画の名作について語っておられました。「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本 喜劇編」の最終回です。
邦画の名作は、かなり観てきているはずの私ですが、山田洋二監督が推奨する名作の中には、未見の邦画があり、たいへん興味深かったのです。
その中で、見落としてしまった「警察日記」という作品が気になったので、DVDを購入してみました。
さっそく、鑑賞してみたのですが、いろいろと感じることが多く、何から書いたらよいのか、迷うほどす。
ウィキペディアは、以下のように、映画「警察日記」について記述しています。
『警察日記』(けいさつにっき)は、伊藤永之介の同題の小説をもとにした、久松静児監督、森繁久弥主演による1955年製作の日本映画。
1950年代は、日本映画の黄金期です。邦画の名作の半分以上は、50年代に作られたといっても過言ではありません。
今回、この「警察日記」を鑑賞してみて思ったのは、この映画は映画作品としての完成度、芸術性など、審美的な価値基準など関係なく、日本人として生まれたのならば、一度は見ておくべきだということでした。
どうしても強調しておきたいのは、この映画に出演する役者たちが、いきいきと輝いていること。
役者たちのために作られた映画だとさえ言いたいくらい、一人ひとりの役者が際立っております。
以下、主な役者の名前をあげておきます。
森繁久弥、三國連太郎、宍戸錠、二木てるみ、杉村春子、東野英治郎、飯田蝶子、左卜全、多々良純、三木のり平、沢村貞子
かつての日本は、映画王国であるとともに、役者の宝庫でもあったことは「警察日記」を見てもわかります。
「警察日記」を10年前に見たとしたら、単なる人情劇だと思ったかもしれません。しかし今は、こういう映画こそ、語り継ぎ、見続けてゆくべきだと声高に叫びたい気持ちです。
なぜ、そういう気持ちになったのでしょうか。それは、日本という国から、今という時代から、かつてあった良いものが消えてゆき、二度と戻らないのではという怖れの気持ちが強まっているためだと思うのです。