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母の情け、母の恩

父も母も、そして長男も亡くなってしまい、孤独をしみじみと感じる今日この頃です。

 

仕事柄、ビジネス書や自己啓発書をよく読むのですが、その度に、母親のことを思い出します。

 

ビジネスの世界でいう人間関係で、よく使われる言葉が「Win-Win」。はてなワードは、「Win-Win」について、以下のように説明しています。

 

「自分も勝ち、相手も勝つ」――取引などにおいて、関係する両者ともにメリットのある状態であること。

 

これと似たような意味でよく使われるのが「give-and-take」。kotobankは「give-and-take」について以下のように解説。

 

相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること。

 

ここ数日間、読み返しているスティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」にも「Win-Win」という言葉が出てきますが、どうも馴染めないのです。

 

「Win-Win」とか「give-and-take」とかいう言葉の意味は理解できるし、そういう人間関係も存在することを知っています。

 

ただ、私としては、そういう関係を意図的に目指すことに、抵抗があるのですね。

 

もっとハッキリと言ってしまうと、嫌いな言葉の部類に入ります。 この記事の続きを読む

「心の琴線にふれる言葉―声に出して読みたい日本語5」で、感じながら読む習慣をつけましょう。

文章力をアップさせるというと、すぐにテクニックや法則を想起するかと思います。

 

もちろん、技法や方程式は学んで損はありません。

 

ただ、他の人と違う、読者に強く訴える文章を書くには、その前に必要なことがあります。

 

それは言葉でいうと難しく聞こえますが、実は楽しみながら、自然に身に付けられるのです。

 

本は頭で読むのではなく、身体で感じながら読むと、本物の文章力が養われることをご存知でしょうか? この記事の続きを読む

しめやかな激情

しめやかな激情」という言葉をご存知でしょうか? 「しめやかなげきじょう」と読みます。

 

和辻哲郎(わつじ てつろう)の言葉です。

 

日本人の心の原風景には、この「しめやかな激情」が息づいていることを私も信じています。

 

やさしく、しとなかで、穏やかなたたずまいが、急に、荒々しい、狂気の乱舞に変ずる……そういうことが、人の心には、平気で起こりうるものだと、和辻さんは言いたかったのでしょう。

 

本当に激しいものは、静かである、と風花は思っているのです。

 

「しめやかな激情」という言葉を知ったのは、かなり前のこと。

 

中村彝(つね)という大正期の画家を知っている人は少ないでしょうか。彼の油絵には、狂わんばかりのエネルギーが封じ込められていて、見ていると身動きができなくなるほどです。

 

その情熱は、一見静かに見える肖像画の奥で、暗い夜の嵐さながらに吹き荒れている。

 

この狂気じみた熱情の原泉は、相馬俊子へのかなわぬ愛でありました。

 

37歳という若さで他界した中村彝の展覧会の批評文、その中に「しめやかな激情」という言葉が使われていたのです。

 

私はその時から「しなやかな激情」という、美しくも狂おしい日本語を、忘れられなくなったしまいました。

 

この言葉をアレンジして、私は「しなやかな熱情」という言葉を使っています。