「たゆたう」時を愉しむ。【美しい日本語】

日本語 - 美しい日本語(言葉)
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「美しい日本語」というカテゴリを設けたのですが、なかなか記事が書けませんでした。

 

「美しい日本語」に関する本は多数出版されていますし、そういうネタ本から引っ張り出せば、容易に書けるでしょう。しかし、それでは味気ないし、気が乗りません。

 

そこで、今回は私自身が思い入れのある「美しい日本語」をご紹介しましょう。

 

それは「たゆたう」です。

 

大辞林は「たゆたう」を以下のように説明しています。

 

(1)物がゆらゆら動いて定まらない。ただよう。

 

「波間に―・う小舟」

 

(2)心が動揺する。ためらう。

 

「父はあまりの事に、しばし―・ひしが/うたかたの記(鴎外)」「今は逢はじと―・ひぬらし/万葉542」

 

〔終止形・連体形は「たゆとう」とも発音される〕

 

「たゆたう」を現在、「ためらう」という意味で使う人はまれだと思います。

 

私の場合は、「ゆらゆらと漂っている」という意味で、ある状態を表現したいのです。

 

例えば、「たゆたう時を、しばし味わう」とか。

 

効率化を追い求めるあまり、日常では、何の目的も持たない、ぼんやりとした時間が極めて少ないのです。そうした慌ただしい日々の中で、ゆらゆらと揺れている、ふんわりとした時間を味わうことは、かなり贅沢な楽しみだと感じます。そこで「楽しみ」ではなく、「愉しみ」と表記したいのです。

 

「たゆたう時を愉しむ」と書くと、私的には、しっくりくるのですが、いかがでしょうか。

 

美しい日本語は、骨董品のように飾っておくのではなく、日常から積極的に使いたいものですね。

 

今後、ご紹介する日本語も、その使い方についても、ごいっしょに考えてゆきましょう。

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コメント 3
  • 2014/05/27 14:27

    渡 麻那美さま

    メールアドレスにタイプミスがあったのか、当方からメールをお送りできませんので、再度、正式なメルアドを送信してください。

    よろしく、お願いします。

    風花未来より

  • 2019/09/15 00:20

    なるほど。「たゆたう」ですか。ゆったりとした印象を受ける言葉ですね。綺麗と言うよりも、何でしょうか。例えば、こんな景色はどうでしょう。
    舞台は木々が赤みがかり始めた田舎です。田舎の電車に揺られてひとり傷心旅行。携帯をいじったり、本を読んだりしても良いけれどそんな事はする気になれない。今はただ、雲を眺めて、変わりばえのしない景色を眺めて。そんな景色を眺めているようで、実は取り留めもなく、どうでも良いようなことを考えている。もう、刈り取りの時期か。稲穂が垂れるのはあっという間だな。でも誰かが手に塩かけて育てたんだろうな。その誰かが居なくちゃ稲は育たない。ー僕みたいだな。いや、人間みたいだ。

    なんて言う情景です。こんな、ぼんやりした時間こそ「たゆたう」時、と言うのに当てはまるような気がします。少年時代を思い出しました。優しい言葉をありがとうございます。

  • 2019/12/09 03:24

    ≪…ふんわりとした時間を味わう…≫は、[かぞえうた]の[いち に さん]の[いち]が[4次元]まで[1]で[意思疎通]できる[数の言葉]の⦅自然数⦆が、[オバケ]と≪…たゆたう…≫できると≪…味わう…≫事ができるかも・・・ 

     [オバケ]は、
     「絵本のまち 有田川」の
    ちいさな駅美術館 Ponte del Sogno (JR 藤並駅) に 
    令和二年一月七日~令和二年一月二十四日
    の間だけ、[住まわせる]らしい・・・ 

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