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コピーライターとブロガーの違いについて、考えたことはありますか? この違いについて、深く考えることは、表現の本質を見極めることにつながる気がしてなりません。
■ブロガー
話をわかりやすくするために、ブロガーやメルマガ発行者のことを、風花は「自分メディアライター」と呼んでいます。
要するに、自分のメディアを持ち、そこに自分の主張なり、思いを表現してゆくのが「自分メディアライター」であるブロガーの仕事なのです。
ブログを運営する理由に関する大規模なアンケート、その結果で、1番になっているのは「自己表現」だったと記憶しています。
ブログは2005年に空前の大ブームがありましたが、それ以降も多くの人たちの生活に定着した理由は、この「自分を自由に表現できること」、そのことにあると言えるでしょう。
■コピーライター
では、コピーライターはというと、長年、コピーライターをやってきた風花が体験的に語るならば、コピーライターは、まず「自分を完全に捨てること」から、仕事が始まっているのですね。
コピーライターが文章を書くのは、クライアント(依頼主)である企業のためです。
自分の持ち味を発揮できることは、ごくまれにありますが、基本的には、自分のスタイルは持てないし、持ってはならないのです。
また、コピーライターは自分のメディアを持ちません。
売るために商品がまずあり、その販売計画によって活用するメディアが決まります。
例えば、テレビCMとか、駅貼りポスターとか、そうしたメディアの特性に合ったコピーを作成するのです。
■ブロガーとコピーライターの違い
それと、コピーライターはクライアントから、ギャラをもらいますが、ブロガーは基本的に原稿料は発生せず、自分でアフィリエイトなどで生計を立てるという違いもあります。
ブロガーはあくまで自分が軸であり、自分表現で完結できる仕事なので、風花は、ブロガーという仕事に魅力を感じ、コピーライターを辞めたのでした。
自分が軸となるのが、ブロガー、商品が軸となるのが、コピーライターです。
若い人で、コピーライターを目指す人はほとんどいません。
東京という大都市以外では、成立しない仕事となってしまったせいでしょうか。
どうやら、理由は、コピーライターという仕事が、花形職業ではなくなったからというだけではなさそうです。
「文は人なり」という言葉があります。文章にはまぎれもなく、それを書いた人の人間性があらわれるという意味です。
文章を書く、最も大きな歓びは「自分らしさ」が言葉に滲み出た時です。言葉は表現者と切っても切れない存在なのです。
しかし、コピーライターという仕事では、その一番大事な部分である「自分」を捨てなければなりません。
多くの人が仕事では自分を消すのと同じように、コピーライターも自分を消すのであって、仕事ならば、当たり前とも言えるでしょう。
しかし、文章表現の根本的な歓喜を捨てるのは「言葉に関わる者」として、あまりにも、はかないというか、痛いことです。
「コピーライト」とか「コピーライター」という言葉は、実は、非常に難しく、多くの人が誤解しています。
本来、自分があらわれるはずの言葉なのに、言葉で表現しながらも、自分を意図的に消してしまう行為、そのこと自体に、深くて痛い「不自然」があるのかもしれません。
そういうことについて書かれた本は、まだ世界中で、出ていない気がします。すごい大切なことなのに、なぜでしょうか。その詳しい解説は、いつかしてみたいと思います。
それはともかく、言葉の本質、表現の本質を知る上で、ぜひ「自分メディアライター」という呼び名を、この機会に憶えていただけたらと思います。