今日の風花未来の詩は「太陽に向かって」です。

 

太陽に向かって

 

気づいたら

太陽に向かって

歩きはじめていた

 

明るい光のある方へ

吸い寄せられるように

歩いて歩いて

正午の太陽の

真下までたどり着いた

 

大きな真冬の陽光を

真正面から受ける

視界の開ける広場に来て

私はようやく足をとめた

 

太陽の下では

言葉を失う

言葉を失うのは

自分の無力さを

痛感するからだ

人間の卑しさ

人類の愚かさが

骨身に沁みるからだ

 

なぜ 戦争をなくせないのか

人間を蝕む不幸を

少しでも減らそうと思ったら

まず何をおいても

戦争をこの地球上から

なくそうと力を合わせるべきだ

人類が一致団結して

利害を捨て

主義主張を捨て

なぜ 戦争をやめさせることに

本気で取り組もうとしないのか

 

人類は

小さすぎる

貧しすぎる

 

先の戦争で

日本は焼け野原になったが

今よりも

川の水は澄んでおり

緑は豊かに潤っていた

 

平和という名のもとに

人間は何をしてきたのか

また何をしてゆくのか

 

哀しみは果てしないのに

今日の空は

何と蒼いのだろう

今日の雲は

何と白いのだろう

 

眼前に広がる

晴れた空の「蒼」

陽光に輝く雲の「白」

 

この「蒼」と「白」に

恥じることなく

釣り合う「純色」が

私の中にあるだろうか

 

遠い過去にはあったかもしれない

「純色」を呼び戻せるだろうか

 

そういうことを

真正面から

巨大な太陽を見つめていると

真っ直ぐに

思えてくる

 

結論は出ない

正解は見えない

 

だけど

前に出よう

 

残りの人生

ずっと

太陽に向かって

進んでゆきたい

打算まみれの

人間稼業はやめて

後づけの理想論は

あっさり捨てて

太陽にだけ

正直でありたい

 

あと一歩

あと一歩と

太陽に近づいてゆく

それだけが

私の人生になる

 

この決意が

揺らぐことがないよう

今日を「太陽の日」と

名づけよう

 

「太陽の日」に見た太陽を、動画で撮影してございますので、よろしければご視聴ください。

 

「太陽の日」の動画はこちらへ