古い話で恐縮ですが、2006年2月に開催されたトリノオリンピック、そのフィギュアスケートの女子シングルで金メダルを獲得した荒川静香の演技を、覚えておられる人は多いのではないでしょうか。

 

早いもので、あの感動から、もう10年以上が経つのですね。

 

私の中では、あのトリノ五輪での荒川静香の栄光こそ、最も理想的な成功体験の事例だと確信しています。

 

言い換えますと、あの時の荒川静香は確かに幸運の女神を引き寄せたのです。つまり、引き寄せの法則をプラスに作用させた、最高のお手本だと言えます。

 

引き寄せの法則を良い方向に働かせるにはどうしたら良いか考える時、荒川静香の金メダル体験から、私たちは実に大切なことを学べるのです。

 

ですから、今回は「荒川静香の金メダルに学ぶ引き寄せの法則」というタイトルでお送りします。

 

以前、運気を上げ、幸運を引き寄せるためには、利己主義や利益誘導の意図を捨てなければいけないとお伝えしました。

 

荒川静香の場合に当てはめるならば、金メダルを取りたいという思いばかりが強ければ、あの素晴らしい演技はできなかったと考えて間違いありません。

 

誰でも、栄光を手にしたいし、トップの成績を上げたいと願うでしょう。ただ、それは単なる欲望であって、一つ間違えば、過度に緊張したり、余計なところに力が入って、思うようなパフォーマンスができなくなってしまいます。

 

あの金メダル演技の前の練習風景を動画で見たことがあるのですが、実に感動的でした。

 

さかんに、あの得意技であるイナバウワーを繰り返しているのでした。

 

ゆったりと、うっすらと笑顔を浮かべているかのようなリラックスした表情で、練習を楽しんでいるかに見えたのです。そこには、焦りも、気負いも、ありませんでした。

 

そうした穏やかな荒川静香を見た、優勝候補のイリーナ・スルツカヤは苛立ちを隠せなかったそうです。優勝して当たり前という立場から、スルツカヤにかかるプレッシャーは大きく、結局は本番では転倒してしまいました。

 

後になってインタビューに答えた荒川静香の本心を聞いて、なるほどと納得しました。

 

勝とうという気持ちを捨て、自分らしい演技を楽しもうとして本番に臨んだそうです。

 

イナバウワーは加点されない技です。しかし、イナバウワーは柔軟な体を活かした荒川静香スペシャルと呼んでいい、最も自分らしい演技に他なりません。

 

ですから、練習でも、入念にイナバウワーに取り組んでいたのですね。

 

そして、フリーの演技では、完璧な演技を披露し、満場の喝さいを浴びたことは改めて申し上げるまでもありません。

 

つまり、荒川静香は、勝ちたいという我欲を捨て、無心で演技し、「本当の自分」「なりたい自分」になりきることができたのです。

 

⇒動画「トリノ五輪フィギュアスケート 荒川静香フリー演技」

 

金メダルはその結果でしかありません。逆に、金メダルという結果ばかりを追い、自分らしさを失ったら、栄光は逃げて行ったでしょう。

 

引き寄せの法則的に申し上げるならば、以下のようになります。

 

荒川静香は、邪念を捨て、自分らしく演じ切ろう(なりたい自分になろう)とした結果、良い波動を生み、強力な磁力で、幸運の女神を引き寄せたのです。

 

荒川静香はインタービューで、こんなふうにも答えてします。

 

勝ちたいという気持ちは捨て、観客の皆さんに歓んでもらえる演技を心がけました。

 

本当の自分になるためには、観客と一体になることが必要だったのですね。

 

やはり、言葉の力は素晴らしいですね。この荒川静香の言葉ほど、荒川静香の心を鮮やかにあらわしている表現はありません。

 

本当の自分(自分の内部の存在)を歓ばすだけでなく、自分の外部の存在である観衆に歓んでもらおうと願った時、荒川静香には調和のエネルギー(交響エネルギー)という最上質の波動が生まれ、強力な磁力で幸運を引き寄せたのです。

 

※最近の私は、この「調和のエネルギー(交響エネルギー)」を生み出し、理想的な状態になることを「すべて『まどか』なり」、あるいは「まどか」と呼んでいます。

 

「まどか」についてはこちらをお読みください

 

荒川静香のイナバウワーについては、こちらでも書きましたので、ぜひお読みください。

 

⇒荒川静香のイナバウアーの意味(2006年トリノ五輪)

 

私は荒川静香がフィギュアスケートの神様を引き寄せた演技から、深い人生の教訓を学ぶことができました。

 

自分らしく伸び伸びと暮らしつつ、「本当の自分」「なりたい自分になる」こと、それが理想の人生であると確信した次第です。