原民喜「青空の梯子」 投稿 2021/07/12 美しい詩 - 原民喜 シェア はてな Twitter LINE 原民喜の「青空の梯子」という詩をご紹介。 青空の梯子 原民喜 二階の窓に桜の葉が繁って、彼は中学を休んだ。曇った朝の空が葉のむかふにあった。雀が囀った。 怠けものはさきになって困るぞ、と誰も云はないが云ふ。それがちりちりと迫った。 彼は左官になって一生懸命高い梯子を登り降りする姿を夢みた。懐中時計の字のない部分は白かった。 正午前である。空がすっかり晴れて来た。 シェア はてな Twitter LINE カテゴリー美しい詩 - 原民喜 タグ 風花未来