日本政府は10日、2011年版の『自殺対策白書』閣議決定。

『白書』によると、2010年の日本の自殺者は3万1690人で、13年連続で3万人を超えました。

(以下、「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月11日からの引用)

自殺の原因は「健康問題」が最多で、その次には「経済・生活問題」となっている。

男性は前年比1189人減の2万2283人、女性は34人増の9407人だった。40才から60才代の男性が約4割を占めた。職業別から見ると、「無職」が61.9%となっている。

『白書』では、東日本大震災の被災者への心のケアが日本政府の課題であるとも強調された。

(引用は、ここまで)

また、asahi.comは、「若い世代の自殺者数が増える傾向にあり、白書では若者の雇用形態が不安定なことが背景にあると指摘している。 人口10万人あたりの自殺者数は、20~24歳が1998年の16人から09年に22人まで増加。25~29歳も19人から24人まで増えた。50代と60代が98年以降は減少傾向にあるのと対照的だった」と報じています。

年間3万人以上の人が自殺しているというのは、本当に異常ですね。

原因は、病気、仕事、経済事情などがよくあげられますが、言葉を置き換えると、「生きているよりも死んだほうがマシだ」と思ったから死んでしまったということになります。

では、人は「生」よりも「死」を選ぶのは、どんな時でしょうか?

大きくわけると、2つのケースに大別されると思います。

一つめは、未来に希望がない場合。

二つめは、例えば、家族のためとか、恋人のためとか、目標を達成するためだとかいう、「生きている理由」を失くしてしまった場合。

「将来への希望が抱けない」、しかも、「~のために生きようという理由もない」となれば、人は自殺を選んでも無理はない気がします。

しかし、悩みを自分では解決できない時に、相談できる人がいたら、状況は変わるのではないでしょうか。

もしも、身近にいなかったら、あそこに行けば、気持ちが落ち着くとか、自分の心の置き場所があれば、ずいぶん違うと思います。

「心のよりどころ」「心のふるさと」を失ったことが、現代人の不幸のはじまりだった、そう感じているのでは私だけではないはず。

悩みと正面から真剣に向き合って、それを解決する練習をほとんどの人がしていないのではないでしょうか。

もちろん、テレビだとか、新聞や雑誌などは、そういうお金にならない情報は基本的に流しません。

例えば、もう、どうしようもないくらい落ち込んだ時、この本を読むと救われるとか、そういう「心の糧」となる本の存在を知っているだけでも、自殺はある程度は防げると思うのですね。

おこがましいことは語れないのですが、「心の糧」となる良書ならば、このブログでも、ご紹介できるかと思います。

そう、「風花未来.com」では、「心の糧となる良書」の紹介にも、力を入れてゆきたいのです。

先日ご紹介した、ドストエフスキーの「白痴」も、心という畑を耕すのには役立つ作品だと思います。上下巻で1500ページ近い長編小説ですが、毎日少しずつ読んでも、1ヶ月あれば読了可能です。

脳から汗が噴き出るほど考えつつ、全身で登場人物に感情移入しながら、最後まで読み切った時、信じられないくらい読解力がついていますし、精神的な粘りも養われていることでしょう。

もちろん「言響(こだま)プロジェクト」で私が語っている「言葉の凄さ」も体験できるに違いありません。