「お裾分け(おすそわけ)」という言葉を、最近、ほとんど聞かなくなった気がします。
ウィキペディアは「お裾分け」について、以下のように説明しています。
御裾分け
御裾分け(おすそわけ)は、「裾分(すそわ)け」の丁寧語である。お福分けとも。
他人から貰った品物や利益の一部などを、さらに友人や知人などに分け与えること。
「すそ」とは着物の裾を指し、地面に近い末端の部分というところから転じて「つまらないもの」という意味がある。
よって、本来目上の人物に使用するのは適切ではない。一方、お福分けは「福を分ける」意味であるゆえ目上の人物に使用しても失礼に当たらないとされている。
「お福分け(おふくわけ)」という言葉も良いですね。ただ、私は「お裾分け」も「お福分け」も使ったことがありません。
こんなに良い感じの日本語を、私はどうして今まで使えてこなかったのでしょうか?
独り暮らしが長く、近所づきあいもなく、しかも、会社勤めもしていないので、他人からもらいものをする機会がまったくといっていいほどないからです。
東京で暮らしていると、私と同じような状況におかれている人は多いでしょうね。
日本の国土は狭く、多くの人が密集してい暮らしている場合が多い。そのため、人間関係を和らげる言葉も少なくありません。
人と人との距離感、関係性を表す日本語を、集めてみると面白いでしょうね。
「お裾分け(おすそわけ)」は、人と人との無理のないつながり、まろやかな関係性、適度な温かさを伝える言葉として、極めて美しい日本語だと思います。
できれば、「お裾分け」や「お福分け」という言葉を日常生活で使いたいものです。そのためには、この美しい言葉を自然に使える生活環境を、整える努力から始めなければいけないでしょうね。