当ブログ「美しい言葉」では、間違えやすい漢字について、何度かお伝えしていますが、慣用句の中にも、読みにくい漢字があります。

 

今回は「読みにくい慣用句の漢字」を取り上げます。

 

以下の慣用句を読んでみてください。

 

 

徒となる(   )首を回らす(   )吝かではない(   )十重二十重に(   )野に下る(   )鎬をけずる(   )

臍をかむ(   )験をかつぐ(   )身を粉にする(   )音をあげる(   )分が悪い(   )斜に構える(   )

 

 

いかがでしょうか? すらすら読めた人の方が少ないかと思います。意味も間違えていないでしょうか。

 

では、以下、正解をご紹介しますね。

 

徒となる【あだとなる】無駄になる、害となること。

 

首を回らす【こうべをめぐらす】頭を後ろに向けて、振り返ること。過去を振り返る、思い出すという意味にも使う。

 

吝かでない【やぶさかでない】何かをする努力を惜しまない、喜んで、何かをすること。

 

十重二十重に【とえはたえに】いくえにも重なるように、取り囲んでいる様子。

 

野に下る【やにくだる】公職を退き、民間の生活にはいること。

 

鎬をけずる【しのぎをけずる】刀の鎬を削り合うように、互いが激しく切り合うことから、激しく争う様をいう。

 

臍をかむ【ほぞをかむ】及ばないことを悔やむこと。

 

験をかつぐ【げんをかつぐ】良い前兆や縁起を気にすること。

 

身を粉にする【みをこにする】辛いことをいとわず、努力すること。

 

音をあげる【ねをあげる】弱音を吐くこと。

 

分が悪い【ぶがわるい】形成が不利なこと。

 

斜に構える【しゃにかまえる】まともに向き合わず、皮肉な態度で接すること。