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黒澤明の「生きる」は、やはり偉大です。

黒澤明監督の「生きる」を久しぶりに鑑賞しました。20代の時に見て以来だと思うので、あの感動から、かなりの長い年月が流れたことになります。

映画「生きる」は、1952年(昭和27年)10月9日公開。東宝製作・配給。主演は志村喬。音楽担当は早坂文雄。

黒澤明の数多い傑作と比べると、作品としての完成度は高くありません。しかし、そのテーマの純粋さ、主人公の人物造形が愚直なまでに徹底しており、真っ直ぐな描出には感動を禁じ得ないのです。

全体にテンポが悪く、いくら古い映画だといっても、ここまで展開が遅いと見ていて辛くなることもありました。

でも、もしも、この映画が、過不足なく編集されていて、手際よく物語が進行して行ったとしたら、この無骨なまでの純朴さは消されてしまうことは間違いありません。

ゴンドラの唄」(吉井勇作詞、中山晋平作曲)が、映画の中で何回も歌われる(流れる)のですが、実に良く利いていて、黒澤明の音楽への思い入れの強さを感じさせます。

ラスト近く、雪が降りしきる公園で、独りブランコに揺られながら「ゴンドラの唄」を歌う主人公。この映画史に残る名シーンは確かに鮮烈です。

でも、今回見て、やや誇張というか、デフォルメが過ぎる気がしました。

それに比べ、ラストの橋をとぼとぼと渡ってゆく役人、その背後に広がる夕焼け空は、本当に素晴らしい。モノクロームなのに色彩が感じられる。このラストシーンがあるからこそ、この「生きる」は永遠の力を有する、そんなことを感じたのでした。

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