非常に評価が高いようなので、映画「この世界の片隅に」をアマゾンビデオで鑑賞してみました。

 

映画「この世界の片隅に」は、こうの史代の漫画「この世界の片隅に」を原作とする、片渕須直監督・脚本、MAPPA制作の長編アニメーション映画です。2016年に公開されました。

 

アマゾンでレビューを書き込んでいる人たちの評価が高すぎますね。

 

映画「この世界の片隅に」を、冷静に、そして公正に評価してほしい。映画や芸術をこよなく愛する者として、切にそれを願います。

私はこのブログで映画を酷評したことがありません。しかし、今回ばかりはファンの方々からお叱りを受けることを覚悟で、辛口の感想を書くことにします。

 

このアニメを、本気で評価しているとしたら、もっと名作を見ましょう。映画作品の価値基準ができていないから、一時的な感情の高揚などで、高い評価をしてしまうのかもしれませんね。

 

多すぎる高評価レビューが、作為的な宣伝活動であるとしたら、論外。

 

作品自体からも、作為的なものを感じ取ってしまったので、感動までは至りませんでした。「わざとらしさ」が感じられたら、感情移入はできません。

 

ピュアっぽく作るのではなく、完璧に何もかもピュアに徹しないと気持ちの悪い作品になってしまう、そうした当然なことを久しぶりに痛感しました。

 

制作側がもし純粋に良作を作ろうとしているとしたら、単なる凡作です。

 

興行、話題性、口コミ、宣伝、賞狙い、などなど、制作サイドの雑念、邪心の方が、作品の純粋性を高めることよりも先行してしまったのでしょうね。

 

広島とか、戦争とかと利用して、作為的に感動させようとしている点に、怒りさえ覚えました。

 

広島をテーマにした映画としては、私は以下の作品を基準にしています。

 

⇒映画「原爆の子」の静けさ

 

「この世界の片隅に」は、本当に作品自体が良くて、口コミで広がった、人気が出たという作品ではなく、完全な仕掛けによるブレイクでしょう。

 

まんまと仕掛け人たちに、のせられた人たちが数百万人もいるとしたら、これも情けないというか、病的なものを感じますね。

 

「この世界の片隅に」の作品自体の完成度は低くはないでしょう。しかし、それ以外の邪心が多すぎて……特に若い人たちは、悪意を隠したアニメ商法に騙されないように、歴史や芸術の本質を学ぶ必要もあるのではないでしょうか。

 

今後は私自身も、ネットなどで異常に評価が高い作品には警戒心を抱くと思います。特にアニメ映画は、要注意ですね。