モノクロの映像が何ともいえない味を出していて、美しい。
今日取り上げる邦画は、市川崑監督の「黒い十人の女」です。
「黒い十人の女」1961年・大映。監督:市川昆。出演:岸恵子、山本富士子、船越英二ほか。
制作された時代を考えると、そのモダンなテイストに驚かされる。
モダンと感じられる要素として最も強烈に感じられるのは、作者の突き放した視線である。
鮮やかで冷めた映像感覚。乾いていてヒネリの効いた演出は、日本の監督としては稀有なものではないだろうか。
男と女を、時代や社会というものを、なかなかここまで距離をおいて見られるものではない。
この映画の撮影方法、光と影の使い方は、誰の影響なのかも私は知らない。詳しい方なら、〇〇という監督の、〇〇という手法のパクリだよと教えてくれるかもしれない。