二重表現(重複表現)に気をつける

このコーナーでは「文章の基本ルール」についてお伝えしています。

 

「今さら誰も教えてくれないこと」「今さら誰にも聞けないこと」などが多く出てくることでしょう。

 

つまり、知っておくべきことなのに、意外と多くの人が知らない、間違えていることが、たくさんあるというわけです。

 

さて、今回のテーマも基本中の基本「二重表現(重複表現)」についてです。

 

二重表現」とは、同じ意味の言葉を繰り返し使うことです。「重複表現」とも呼びます。代表的な二重表現には「馬から落馬する」があります。

 

では、以下、間違えやすい「二重表現」とその修正例をあげてみることに。×が間違い、〇が修正例です。

×馬から落馬する ○馬から落ちる

×頭痛が痛い ○頭が痛い。頭痛がする

×約10m程度 ○約10m。10m程度

×必ず必要である ○必要である。必ず要る

×過大評価しすぎ ○過大評価する。評価しすぎ

×はっきりと明言する ○はっきりと言う。明言する

×あらかじめ予約する ○予約する。あらかじめ申し込んでおく

×最後の結末 ○結末。ラストシーン

×いまだに未解決 ○今も未解決。まだ解決していない

 

まだまだありますが、この続きは、次回で。

カタカナ語の使い方に注意

カタカナ語の使い方にも注意が必要です。

 

例えば、「コピーライター」という言葉。日本語に直すと「広告文案家」となります。この場合は、日本語の方が意味はわかりやすいですが、コピーライターの方が一般的に流布していますので、コピーライターと表記した方が良いでしょうね。

 

「モチベーション」はどうでしょうか? MBA用語集によると、以下の意味となります。

 

目標に向けて行動を喚起する心理的エネルギー、行動を促す動機。俗にいう「やる気」。

 

アフィリエイトなどのネットビジネスでも、この「モチベーション」というカタカナ語はよく使われます。「動機」「やる気」のことですよね。「モチベーション」の場合も、カタカナ語のままの方が意味が通じやすいかと思います。

 

一方、日本語に変換した方が読者に親切であると思われるカタカナ語があります。以下、それをあげてみましょう。

 

日本語に置き換えた方が良いカタカナ語(言葉)

 

アカウンタビリティ(説明責任)

アクセスチャージ(接続料)

アジェンダ(検討課題)

アセスメント(影響評価)

インキュベーション(起業支援)

インタラクティブ(双方向性)

エンパワーメント(能力開発・権限付与)

コージェネレーション(熱電併給)

コミットメント(実行計画・確約・関与)

コンシューマー(消費者・購買者)

コンソーシアム(共同事業体)

コンパチブルマシン(互換機)

コンプライアンス(法令遵守)

サマライズ(要約)

スキーム(計画)

スケールメリット(規模を大きくすることで得られる効果)

ストックヤード(一次保管所)

デジタルキャッシュ(電子マネー)

デジタルデバイド〈承保格差)

デフォルト(初期設定)

デポジット(預り金)

ドクトリン(基本原則)

トレーサビリティー(履歴管理)

ハーモナイゼーション(協調)

プライオリティ(優先順位)

ブレイクスルー(打開・突破)

ポートフォリト(資産構成・作品集)

ボトルネック(支障)

モラルハザード(倫理崩壊)

 

この場合、自分はカタカナ語でも意味がわかるからといって、読者も理解できると決めつけないことが大切です。

 

文章の基本は「わかりやすさ」が大事。カタカナ語が使いたい場合は、日本語も表示しておくと良いでしょう。

接続詞はなるべく使わない

初心者の文章を読むと、かなり気になるのが、接続詞が多すぎることです。

 

「接続詞の多用をつつしむこと」は、文章作法の基本中の基本。「良い文章には接続詞は必要ない」という人もいるくらいです。

 

接続詞は、6種類に分類できます。

 

1)順接

 

2)逆説

 

3)説明・補足

 

4)並列・累加

 

5)対比・選択

 

6)転換

 

詳しい解説は、以前ご紹介しました「原色シグマ新国語便覧―ビジュアル資料 (シグマベスト)」をご覧ください。インターネットでも調べられますが、体系的に読める本を一冊持っておいた方が良いかと思います。

 

口語文法は学んだ方がいいですか?

 

さまざまな働きがある接続詞ですが、実際に文章にしてみますと、削除しても意味が通る場合が多いのです。そういう時は、接続詞は書かないようにします。すると、文章がスッキリし、リズムも良くなるのです。

 

「しかし」「そして」などは、ひんぱんに使いがちですが、削った方が良い場合の方が多いので、気を付けてください。

 

ただし、接続詞がないと、意味が通らない場合もあります。また、接続詞の使用によって、リズムが生まれたり、訴求力がアップする場合があることも忘れてはいけません。