ここ数年間、ものまね番組を見ていなかったんですが、昨夜、偶然、荒牧陽子という人のものまねパフォーマンスを見て、かなり驚愕しました(笑)。
何しろ、ものまねというと、ビジーフォーとコロッケで止まっている私なので……。
この荒牧陽子は、大ブレイクして仕事が入りすぎ、体調を壊してしまったそうです。かなり、声帯に負担をかける歌い方ではありますが、荒牧陽子の今後はどうなるんでしょうか。
事務所とのトラブルで、干されてしまったとか、ものまねではなく、オリジナルで勝負したいため……などの噂が飛び交っているようです。しかし、昨今の芸能音楽業界に、オリジナルなどと言えるようなピュアな音楽があるかどうかも疑わしいので、時間をかけて、方向性を決めてほしいと思います。
私としては、オリジナルと呼ばれる音楽の方にほとんど興味がないので、今後も荒牧陽子ならではの何らかの技を見せてくれれば、充分だと感じています。
さて、荒牧陽子の生い立ちとブレイクするまでをまとめた動画を見て、いろいろと感じるところがあったので、それについて、書いてみることにします。
その動画はこちら⇒荒牧陽子 ものまね8連発前編・誕生からブレイク~
ものまねでメジャーデビューするまで、苦節10年ということですが、なぜ、荒牧陽子は大ブレイクできたのでしょうか?
ものまね自体が実際によく似ていること、圧倒的な歌唱力の持ち主であることは、もちろんです。ただ、それだけでは、ブレイクしないでしょう。
荒牧陽子は、優秀な表現者です。ものまねシンガーと呼ばれているらしいのですが、ジャンルがどうのこうのいう前に、表現者として一流なのです。この人は、芸人というよりも、表現者といった方がしっくりくる気がします。
以下、荒牧陽子の「3つの力」について、考えてみます。
プレゼンテーションの力
荒牧陽子は見せ方がうまいですね。瞬間的に見る人の気持ちをつかむことはプレゼンテーションで求められる最重要事項です。歌とダンスと振り、そして、顔の表情の作り方が非常にうまい。
鮮明かつ繊細な共有力
有名な歌手の曲を真似るのですが、そのマネ方の質が高い。特徴をとらえ、やや誇張しつつも、元歌の細部にまで気を配って真似ているので、大ざっぱな感じがせず、強烈で深い共有力で、聞く人を引き付けて離しません。
スピーディーな変身力
変化は快感だとはよく言われることです。その変化のさせ方が、荒牧陽子は上手い。聞かせるべきところは畳みかけるけれども、視聴者を退屈させないタイミングで変化をつける。そのため、当然、荒牧陽子はメドレーが得意なのです。時には10人以上の曲を一気に歌いきることも。このスピーディーな変身力が見る人を病みつきにしてしまうのです。ひと昔前のモノマネ芸人と最も違う点は、荒牧のこのスピード感、変化の激しさとバリエーションの豊富さだと言えます。
いかがでしょうか? このように見てくると、荒牧陽子は一人の表現者として、実は基本に忠実なパフォーマンスに徹していることに気づきます。ですから、荒牧陽子の美点は、他の分野で活躍したい人にも活用できる可能性があるのです。いちろん、文章で表現したい人にも、かなり参考になるでしょう。
音感の良さ、歌唱力を含めた、表現者としてのセンスが光る荒牧陽子。それに動画の中の荒牧陽子は、そのテンションの高さと勢いを感じますね。新ネタの開発はかなりのストレスらしいのですが………荒牧陽子の今後の活動にも、注目してゆきたいと思います。「新ものまね女王」という称号と、どのように付き合ってゆくのでしょうか。
こちらは、荒牧陽子のオリジナル・アルバム⇒Anytime musix [ 荒牧陽子 ]