今回の取り上げる映画は、ハリソン・フォードが主演した「心の旅」についてです。
この映画の見所は、主人公の変化です。
私自身、変わることに現在すごく関心があるので、すぐに映画の世界に没入できました。
この映画は、1991年の作品。監督はマイク・ニコルズ。
敏腕弁護士がピストルで撃たれる前、脳に損傷を負った後、リハビリを終え、家庭に帰り、もう一人の自分として生きはじめる……。
記憶を失い、天才的な能力を発揮できなくなった主人公は、弁護士としての栄光は失いますが、人間らしさというか、優しい気持ちを回復し、無理のない暮らしを送れるようになるのです。
おかげで妻や子供とも、うまくゆくようになったのでした。
丁寧に、主人公の変化が描かれていて、時間が経つにつれて、作品世界に引き込まれてゆき、ラストまで、ノンストップで見られる作品でした。
心理学者やカウンセラーと呼ばれる人たちが増えたわりには、一方では心の問題が乱暴に扱われている現状を知っているので、「心の旅」のような優れた心理ドラマを鑑賞すると、逆に束の間の安堵感を覚えてしまいます。
心理学のセミナーに通った経験があるのですが、「ああいう場所には長くいるものではないなぁ」というのが私個人の感想です。
参加すると、ものすごくストレスを感じるし、疲労感は長く尾を引きます。私の場合はそうでした。
今行われている心理学とか癒しとか、そういう世界には、どこか根本的に無理なところがあるので、疲労してしまうのだと私は密かに思っています。
心理学とかセラピーとか、そういう世界に染まっていない人たちと、逢って話していると、すごく健康な感じがするんですね。
その理由はいろいろあるんですが、自分の欲望とかに正直に生きている人は、外界との関係性が健全なのですね。プラスのオーラを出しているし、爽やかな印象の人が多い。
一方、人間の内面ばかり見つめて暮らしている人は、外なる世界と内なる世界とのバランスがひどく危うい、というか壊れている人が実に多い。
そういう人は、見ていて心地よくありません。なぜなら、概して良いオーラを出していませんから。
話を元に戻しましょう。映画「心の旅」でしたね。
主人公は自分らしく、家族を大切に生きるように変化しました。私自身も、今いちばん望んでいるのは、より良く変わることです。
内なる世界と外なる世界、そのバランスを変えてゆこうと思っています。