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石川啄木の恋愛短歌(恋の歌)を集めてみました。

美しい詩
この記事は約 1 分で読めます ( 約 408 文字 )

先日、石川啄木歌集を繰り返し読んでいるうちに、啄木が異性について歌った短歌(恋愛短歌)に、啄木の独自性が色濃く出ていると感じました。

 

そこで、今回は、石川啄木の恋愛短歌(恋の歌)を集めてみました。

 

頬につたふ
なみだのごわず
一握(いちあく)の砂を示しし人を忘れず

 

砂山の砂に腹這ひ
初恋の
いたみを遠くおもひ出づる日

 

やはらかに積もれる雪に
熱てる頬を埋むるごとき
恋してみたし

 

わがために
なやめる魂(たま)をしづめよと
讃美歌うたふ人ありしかな

 

己(おの)が名をほのかに呼びて
涙せし
十四の春にかへる術なし

 

世の中の明るさのみを吸ふごとき
黒き瞳の
今も目にあり

 

かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど

 

ふるさとの
麦のかをりを懐かしむ
女の眉(まゆ)にこころひかれき

 

 

以上はすべて「一握の砂」から選びました。また、良い短歌が見つかったら追加してまいります。

 

恋愛を含まない短歌の傑作選は、こちらをご覧ください⇒石川啄木の歌集「一握の砂」の名作

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コメント 2
  • 2023/01/25 21:55

    世の中の明るさのみを吸ふごとき
    黒き瞳の
    今も日にあり

    とありますが
    今も「目」にあり
    かと思います。

    • 2023/01/26 00:06

      ご指摘ありがとうございます。「目にあり」と修正いたしました。今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

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