間違えやすい日本語シリーズ、行ってみましょう。今日取り上げるのは「石にしがみついても」と「石にかじりついても」です。

 

うっかり、「石にしがみついても」と使っていませんか。正しいのは「石にかじりついても」なのです。

 

では、どうして、このような間違いをおかしてしまうのでしょうか?

具体的にイメージした場合、「石にしがみつく」ことはできますが、「石にかじりつく」ことは現実にはありえないからだと思われます。

 

だから、ついつい「石にしがみつく」と言ってしまうのでしょうね。

 

「石かじりついても」は「どんな苦労をしても。どんな困難があっても耐えて」という意味の言葉。「石にかじりついても、プロのサッカー選手になりたい」というふうに使います。

 

本来は歯が立たない(噛んだら歯がかけてしまう)石に食らいつくことによって、強い意志を表現のです。簡単に噛めるものであれば、確固たる意志や執念は表せません。

 

文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方とされる「石にかじりついてでも」を使う人が66.5パーセント、本来の言い方ではない「石にしがみついてでも」を使う人が23.0パーセントという結果が出ています。

 

つまり、間違えやすい日本語として「石にかじりついても」は気を付ける必要があるということ。

 

「石にしがみついても」と誤った表現をしないためには、「石にかじりついても」の類義語を知っておく必要があると私は思っています。

 

「石にかじりついても」の類義語は以下のとおりです。出典は類語辞典(シソーラス)。

 

 

「石にかじりついても」の類語

 

なんとかして どんなことをしてでも ・ 石に齧りついても ・ 意地でも ・ 石に齧り付いても

 

 

さらには、「石に食いついても」とも言いますが、表現としては「石にかじりついても」の方が強いですね。

 

先ほども紹介しましたが、「是が非でも」「何としてでも」という言い方もあります。

 

「石に」を入れない表現を使うようにすれば、間違った日本語を使うこともなくなるでしょう。

 

参考にしていただけたら幸いです。