間違えやすいに日本語のひとつに「明るみになる」があります。正しくは「明るみに出る」なのですが、ついつい「明るみになる」と言ってしまいがちです。

 

その理由は、おそらくは「明らかになる」という一般的な表現があるからでしょうね。

 

「明らかになる」は正しい日本語であって、誤用ではありません。

 

ただ、「明らかになる」では表現として少し弱い。

 

そこで、闇が暴かれたという意味から、暗いところに隠されていた真実が、明るい公の場所でさらされたと表現したくて、ついつい「明るみになった」と言ってしまうのだと思います。

 

では、以下で、文法的なことを含めて、もう少し詳しくご説明しましょう。

 

「明るみ」は形容詞「明るい」の語幹に、場所を表す接尾語「み」がついた言葉です。同様に接尾語「み」がつく言葉には「深み」「茂み」「弱み」などがあります。

 

明るみに出る」は「暗いところから明るいところに出る」、つまり「秘密にされていたことが世間に暴露される」という意味で使われます。

 

ふつうは、悪いこと、人に知られてはまずいことに使われ、善なることには使われません。

 

一方、「明るみになる」という言い方は「明るい場所になる」ということになってしまい、意味が成立しません。

 

したがって「明るみになる」は「明らかになる」との混同からきた誤用だということになるのです。