日本の戦争映画はかなり数を鑑賞してきました。ドキュメンタリー映像も相当に見てきました。

 

しかし、戦争映画は内容が悲惨なので、人にはなかなかすすめられません。特に日本の戦争映画は、太平洋戦争に関する映画は、どうしても暗くなってしまいます。

 

ガダルカナル、サイパン、硫黄島などは、玉砕の歴史であり、正視できないほどに惨たらしい。

 

日本軍は、ミッドウェー海戦の敗北から、連戦連敗となるわけですが、唯一というか、奇跡と呼ぶべきか、完璧に成功した作戦がありました。

 

それが「キスカ島撤退作戦」です。

太平洋奇跡の作戦 キスカ」(たいへいようきせきのさくせん キスカ)は、日本海軍によって行われたキスカ島撤退作戦を題材にした日本の戦争映画。1965年に公開されました。

 

 

キスカ島撤退作戦とは、以下のとおり。

 

太平洋戦争における日本の敗色が日増しに濃くなっていく昭和18年7月、アメリカ北太平洋艦隊に包囲されたキスカ島守備隊5200名を救出すべく、日本海軍は第5艦隊を派遣した。

 

監督は、丸山誠治

 

出演者は、東宝が誇る男優が総出演していると言ってもいいでしょう。

 

大村少将:三船敏郎
川島中将:山村聡(特別出演)
国友大佐:中丸忠雄
玉井中佐:稲葉義男
阿久根大佐:田崎潤
福本少尉:児玉清
秋谷司令官:藤田進
寺井先任参謀:土屋嘉男
工藤軍医長:平田昭彦
加藤一水:黒部進
天野少佐:佐藤允
俵少尉:久保明

 

特に、三船敏郎、山村聡、藤田進は、軍人として、いや、人として、凄まじいまでの魅力を発揮しています。

 

現代に生きる私たちも、理想のリーダー像として、以上3人が演じた人物の「人間力」は、多いに参考になるでしょう。

 

沈着冷静、鋭い判断力と勇敢な決断力、そして、あふれんばかりの人間への愛情…。

 

円谷英二特技監督による特撮シーン、團伊玖磨による主題曲「キスカ・マーチ」も、映画ファンを唸らせるのに充分でしょう。

 

戦争映画にも希望はある。昭和の名優たちに感服

 

その映画をオススメしたい理由は2つあります。

 

1つ目は、映画の内容に救いがあるからです。悲惨極まりない戦争の中においても、こうした奇跡は起こりうる……そのことが、戦争の時代に生きていない私たちにも希望を与えてくれるから不思議です。

 

2つ目は、出演している俳優陣の立派さです。威厳、風格、品性があり、演技に深みがあります。

 

特に、三船敏郎藤田進山村総、この三人が光っていました。こういう味わい深い演技ができる俳優は、もう日本では出ないかもしれませんね。

 

この映画には、女性の出演者が一人もいません。でも、物足りない感じはしませんでした。男優たちの熱演だけで充分に楽しめました。女優が出ていないことに、映画が終わってから気づいたくらいです。

 

それにしても、この映画、隠れ名作と呼びたくなるほど、見応えがありました。

 

愛国、大和魂、保守などの言葉の根本的な再考を

 

最近、インタネットを中心に、誤った意味で「愛国」「大和魂」「保守」などの言葉を使う者が増えているようです。

 

政治的な意図で、誘導言説を展開する上で、以上の「愛国」「大和魂」「保守」などの言葉を操っている。

 

利権のために戦争を煽っている輩が増えているみたいだから信じられません。

 

それらの恣意的な発言にいちいち反論している時間はありません。

 

そこで、ぜひこの映画「太平洋奇跡の作戦 キスカ」を鑑賞していただきたい。

 

アマゾンプライムでも、有料ですが、簡単に視聴できます。

 

「太平洋奇跡の作戦 キスカ」をアマゾンプライムで見る

 

「基本的人権」「民主主義」「自由」などの言葉は、実は日本では担保されていません。

 

しかし、そもそも「基本的人権」「民主主義」「自由」などを、当たり前のように、上げ膳据え膳で与えられるものだと思っていることが間違っているでしょう。

 

自分自身で、能動的かつ自発的に志向しなければ、「基本的人権」「民主主義」「自由」だけでなく、「平和」も守ることはできないのです。

 

不思議です。

 

戦争映画から、真の意味での「愛国」「大和魂」「保守」に気づけるのですから……。