近くのレンタルショップに何気なしに入ったら「何度も見てみたい名作」というラベルが目に入り、ふと借りてしまったドラマ、それが「高校教師」。
93年版の古い方なんですが……これは、文句なく、面白い。
2003年版もあるみたいですが、両方とも未見でした。
ある時期、まったくテレビドラマを見なかった時期があり、意外と傑作がその時期に集中していたようで、最近、古い作品をときどき見ます。
で、今回の「高校教師」なんですが、11話を一気に見てしまえる強烈な魅力がありました。
脚本はもちろん野島伸司。主演は真田広之と桜井幸子。
野島伸司の全盛期でしょうか。押してくる力がかなり強かった。
単なる視聴者への挑発ではなく、きっちりバックボーンまで、繊細に描かれているので、興ざめすることもなく、最後まで楽しめました。
好き嫌いが別れる作品でしょうけれど、この力はハンパではありません。
最近のドラマは、「高校教師」と比べれば、どれも薄味といえます。
というか、ドラマという呼び名は同じだけれど、もう、ドラマは、一過性の消費されるものとなってしまい、名作コーナーに置かれて「何度も見てみたい」と感じさせる作品は、激減しているようです。
つい最近、ドラマに関する有名サイトが突然閉鎖してしまいました。
その理由の一つに、「見たいドラマがほとんどない」ことがあったようです。
良いものが少なくなっているのは、ドラマだけではないかもしれません。
日本でいつか「文芸復興」を唱えられることがあるのでしょうか。
文化が衰えることは、私たちの心が痩せてゆくことに他ならないとしたら……。