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映画「銀心中」は、戦争の影が色濃い破滅型恋愛劇である。

久しぶりの新藤兼人監督の映画を観た。偶然、アマゾンプライムで見つけたからだ。

 

タイトルは「銀心中」。「しろがねしんじゅう」と読む。

 

「銀心中」は、1956年に日本で公開された映画。新藤兼人が監督と脚本を担当している。原作は田宮虎彦の同名の小説である。

 

出演者は、新藤兼人映画の常連である、音羽信子宇野重吉。準主役である長門裕之は新藤作品では初めて観た。

 

激しい恋愛葛藤劇だ。メロドラマというには激し過ぎる。

 

成瀬巳喜男監督に、加山雄三と高峰秀子が逃避行する恋愛映画「乱れる」があるが、それを想起した。

 

だが、「乱れる」よりも、「銀心中」の方が激烈だ。

 

また時代背景として、戦争がもたらした不幸であることも重要な要素となっている。

 

人物配置とキャラクター造形が、少々荒っぽいが、そこが新藤兼人らしい。

 

成瀬巳喜男のような繊細さ、きめ細やかさには欠けているが、逆に激しい人間の懊悩が鮮烈にあらわれている。

 

狂うほどの激しい恋愛を、雪景色も鎮める力はなかった。もうこういう激烈な恋愛劇は、誰も描き出せないのではないか。

 

戦争が終わって16年目に作られた映画だが、余りにも暗く不幸過ぎる恋愛劇を、新藤兼人はどうして描かないではいられなかったのか。

 

そのことが、妙に胸につかえている。

映画「愛と死の記録」は原爆映画の最高峰かもしれない。

これまで、原爆をテーマ(題材)とした映画を何作か紹介してまいりました。

 

今回ご紹介する映画「愛と死の記録」も、原爆がテーマとなっています。

 

私がこの「愛と死の記録」を見るのは、おそらくは2回目です。今回見直してみて、驚いたのは、自分がラストシーンを覚えていないことでした。

 

これほど衝撃的な結末を記憶していないのは、どうしたことか?

 

何十年以上も前に見たので、忘れてしまったのか。それとも……。

 

たぶん、いや、きっと、もう一人の私がラストシーンの記憶を消してしまったに違いありません。 この記事の続きを読む

パブロ・ネルーダ(笠木透 訳)の詩「おいで一緒に(山と川)」

おいで一緒に」という楽曲をご存じだろうか。別名は「山と川」。

 

この「おいで一緒に(山と川)」の歌詞が、胸に沁みる。作詞はパブロ・ネルーダ、訳詞は笠木透である。

 

「おいで一緒に(山と川)」の詩の朗読はこちらに

 

パブロ・ネルーダ(1904~1973)はチリの詩人、外交官、政治家。

 

チリ大学在学中に出版した「二十の愛の詩と一つの絶望の歌」により、中南米の有望な詩人として認められる。1971年にノーベル文学賞を受賞。「愛と革命の偉大なる詩人」と称されている。

 

27年外交官となり、34年赴任したスペインでロルカ等と親交を結び、内戦では人民戦線を支援して『わが心のスペイン』を書く。

 

45年上院議員に選出され、共産党に入党。

 

48年独裁色を強める大統領を非難、逮捕命令が出たため地下に潜伏しながらアメリカ大陸の文化、地理、歴史、世界の階級闘争を包含する一大叙事詩『おおいなる歌』を執筆。

 

49年亡命、52年帰国。70年世界初の民主革命政権の樹立に尽力、同政権下のフランス大使として赴任。

 

1972年に、ガンに侵されていたため、大使を辞任しチリに帰国した。

 

1973年9月11日、ピノチェト将軍率いる国軍がクーデターを起こした際、兵士がネルーダの家に押し入り、調度品を叩き壊し蔵書を破り捨てるなどして徹底的に家を破壊した。彼はこのことにショックを受け、病状は急激に悪化したといわれる。

 

9月23日、危篤状態に陥ったため病院に搬送されたが、途中軍の検問で停止させられ、救急車から引きずり出されるなどしたために到着が遅れ、病院に着いたときには既に死亡していた。

 

彼は病気で死に、クーデターで魂を殺された。彼は二度死んだのだ」とチリでは言われている。毒殺の疑いがあるとして訴訟も起こされた。

 

代表作にチリの自然の美しさをうたった「マチュピチュの高み」や「女のからだ」などがある。

 

ガブリエル・ガルシア=マルケスは「どの言語の中でも20世紀の最高の詩人」と称えた。若いころから詩人として名をなした。

 

妻に贈った詩「100の愛のソネット」が有名。南米では頻繁に詩の朗読会が開かれている。

 

100の愛のソネット

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