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愛は、どんな風にして君にきたか?~リルケの詩「『愛』より」から

リルケの「『愛』より」という詩をご存じでしょうか。私はYouTubeで最近になって知りました。

 

久しぶりに、心に沁みたので、ご紹介します。片山敏彦の格調高い翻訳も素晴らしい。

 

【動画】愛は、どんな風にして君にきたか?~リルケの詩「『愛』より」から

 

「愛」より

 

片山敏彦 訳

 

愛は、どんな風にして君にきたか?

それは照る日のように、花ふぶきのようにきたか?

それとも一つの祈りのようにきたか?

―――話したまえ。

 

「一つの幸いが、

輝きながら空から解(ほど)け落ちて

翼をたたんで、

わたしの花咲く魂に大きく懸かったのです!」

 

ライナー・マリア・リルケ(Rainer Maria Rilke)は、1875年12月4日に生まれ、 1926年12月29日に死去。

 

オーストリアの詩人、作家。シュテファン・ゲオルゲ、フーゴ・フォン・ホーフマンスタールとともに時代を代表するドイツ語詩人。

 

その詩集はもちろん、「マルテの手記」「オーギュスト・ロダン」も広く読まれています。

 

私が学生の頃は、多くの人たちが「リルケ詩集」を読んでいたのですが、今はどうなんでしょうね? 聞くまでもないですかね(苦笑)

 

愛のことを、「愛がくる」と、また「愛がどんなふうにきたか」について、

「照る日のように」「花ふぶきのように」「一つの祈りのように」と問いかけ、その答えが「一つの幸いが、輝きながら空から解(ほど)け落ちて翼をたたんで、わたしの花咲く魂に大きく懸かったのです!」とは……。

 

「愛」を、これほど情感豊かに表現した詩を、私は他に知りません。

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青葉しげれる櫻井の~落合直文 作詞「大楠公の歌」

大楠公(だいなんこう)の歌

 

落合直文 作詞、奥山朝恭 作曲

 

―桜井の訣別―

 

1.青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ

木(こ)の下陰に駒とめて 世の行く末をつくづくと

忍ぶ鎧(よろい)の袖の上(え)に 散るは涙かはた露か

 

2.正成(まさしげ)涙を打ち払い 我が子正行(まさつら)呼び寄せて

父は兵庫に赴かん 彼方(かなた)の浦にて討ち死にせん

汝(いまし)はここまで来つれども とくとく帰れ故郷へ

 

3.父上いかにのたもうも 見捨てまつりてわれ一人

いかで帰らん帰られん この正行は年こそは

未だ若けれ諸(もろ)ともに 御供(おんとも)仕えん死出の旅

 

4.汝をここより帰さんは 我が私の為ならず

おのれ討死為さんには 世は尊氏の儘(まま)ならん

早く生い立ち大君(おおきみに) 仕えまつれよ国の為

 

5.この一刀(ひとふり)は住(い)にし年 君の賜いしものなるぞ

この世の別れの形見にと 汝(いまし)にこれを贈りてん

行けよ正行故郷へ 老いたる母の待ちまさん

 

6.共に見送り見返りて 別れを惜しむ折からに

またも降りくる五月雨の 大空に聞こゆる時鳥(ほととぎす)

誰か哀れと聞かざらん あわれ血に泣くその声を

 

―敵軍襲来―

 

7.遠く沖べを見渡せば 浮かべる舟のその数は

幾千万とも白波の 此方(こなた)をさして寄せて来ぬ

陸(くが)はいかにと眺むれば 味方は早くも破られて

 

8.須磨と明石の浦づたい 敵の旗のみ打ちなびく

吹く松風か白波か よせくる波か松風か

響き響きて聞ゆなり つづみの音に閧(とき)の声

 

―湊川の奮戦―

 

9.いかに正季(まさすえ)われわれの 命捨つべき時は来ぬ

死す時死なでながらえば 死するに勝る恥あらん

太刀の折れなんそれまでは 敵のことごと一方(かたえ)より

 

10.斬りすてなん屠(ほう)りてん 進めすすめと言い言いて

駆け入るさまの勇ましや 右より敵の寄せくるは

左の方(かた)へと薙(な)ぎ払い 左の方より寄せくるは

 

11.右の方へと薙ぎ払う 前よりよするその敵は

後ろよりするその敵も 見ては遁(のが)さじ遁さじと

奮いたたかう右ひだり とびくる矢数は雨あられ

 

12.君の御為(みため)と昨日今日 数多の敵に当りしが

時いたらぬをいかにせん 心ばかりははやれども

刃(やいば)は折れぬ矢はつきぬ 馬もたおれぬ兵士(つわもの)も

 

13.かしこの家にたどりゆき 共に腹をば切りなんと

刀を杖に立ちあがる 身には数多の痛矢串(いたやぐし)

戸をおしあけて内に入り 共に鎧の紐とけば

 

14.緋おどしならぬくれないの 血潮したたる小手の上

心残りはあらずやと 兄のことばに弟は

これみなかねての覚悟なり 何か嘆かん今さらに

 

15.さはいえ悔し願わくは 七度(ななたび)この世に生まれ来て

憎き敵をば滅ぼさん さなりさなりとうなづきて

水泡(みなわ)ときえし兄弟(はらかた)の 心も清き湊川

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映画「愛と憎しみの彼方へ」の脚本は黒澤明、主演は三船敏郎、共演は志村喬…

愛と憎しみの彼方へ」という映画をご覧になったことがあるだろうか。

 

「愛と憎しみの彼方へ」は、1951年の日本映画。監督は谷口千吉

 

脚本を黒澤明が担当していることは、特筆に値するだろう。

 

主演は三船敏郎志村喬も出演しており、三船・志村コンビは、黒澤明の世界を兆しを見る思いだ。

 

監督は谷口千吉だが、黒澤明が監督したと言われたら、納得してしまう人もいるかもしれない。

 

確かに脚本は優れている。主人公が脱獄、逃亡、妻子とその恋人を脱獄した主人公が追走するという設定は、最後まで息をのむ暇もないほどだ。