闇を切り裂け~風花未来の詩33

風花未来の今日のは「闇を切り裂け」です。

 

闇を切り裂け

 

不意打ちをくらった

 

知らぬ間に

沼地に足をとられていた

 

昨日まで視界の開けた

陽のあたる場所にいたのに

あっという間に

闇に閉ざされてしまった

 

冷たいというより痛い

手足がしびれて動かない

何とか沼地から抜け出たいのだが

下手に動けば

底なし沼にはまりそうで動けない

 

前方に

はるか遠くでもいいから

わずか一点の光でも見いだせれば

そこを目指して進みたい

そう願って

全力でここまできた

 

光は見えているはずだった

なのに なぜ

急に闇に閉ざされてしまったのか

 

何もとりえのない私だが

耐えることにだけは慣れている

そう思っていたのだが

今度ばかりは

この沼地は深すぎるようだ

 

手足が先ほどまで痛かったのに

痛みさえ覚えなりそうだ

意識も次第にぼんやりしてくる

 

闇の中で鋭く

鳥の鳴き声が走った

 

かすんでいた意識が

いっしゅん目覚めた

 

しかし 待てよ

そもそも 今回の戦いは

限りなく勝算が低かったのだはないか

だから

当たり前な姿勢では

到底 脱出できない

檻に閉じ込められたままだろう

 

これは戦略が通じる戦いじゃない

賭けるしかないのだ

 

まだ命を懸ける覚悟が

できていないから

たやすく暗転してしまうのだ

 

空を見上げても

星ひとつ出ていない

 

腹をくくるしかない

 

この危機を脱出するためには

最後の力を一点に集中して

私の中にある

私の中に残っている光のすべてを

闇に投げかけるしかない

 

それで闇が切り裂けなければ

私は底なし沼に

沈んでゆくしかない

 

さあ

振り絞るのだ

あの闇を切り裂くために

 

さあ

今こそ

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映画「エイリアン2」と「エイリアン3」の感想

映画「エイリアン2」と「エイリアン3」を続けて観た。

 

かなり前に「エイリアン」を観たが、続編を鑑賞した記憶はない。

 

映画「エイリアン」のレビュー記事はこちら

 

最近のハリウッド映画も観ているが、映画「エイリアン」シリーズ以上の衝撃はもうないのではないかと、今回の映画「エイリアン2」と「エイリアン3」を観て思った。

 

簡単に「エイリアン」シリーズついて、基礎データを示したい。引用元はウィキペディアである。

 

『エイリアン』(原題: Alien)は、リドリー・スコット監督、ダン・オバノン脚本の1979年のSFホラー映画。

 

『エイリアン2』(エイリアンツー、Aliens)は、1986年のアメリカ映画である。『エイリアン』シリーズの第2作。監督はジェームズ・キャメロン。

 

『エイリアン3』(エイリアンスリー、Alien 3)は、1992年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。『エイリアン』シリーズの3作目。デヴィッド・フィンチャーの映画初監督作品。

 

『エイリアン4』(エイリアンフォー、Alien: Resurrection)は、1997年のアメリカ合衆国の映画。監督はジャン=ピエール・ジュネ。日本での公開は1998年4月25日。20世紀最後のエイリアンシリーズでもある。

 

「エイリアン4」は途中で挫折、レベルダウンにもほどがある、観る価値なし。

 

それにしても、20世紀のSFホラー・サスペンス映画は、人間臭くて面白い。

 

「ターミネーター」シリーズも、人間臭かった2までが好きだ。

 

CGや特撮の技術には、あまり興味はない。私としては、どこまで人間ドラマとして楽しめるか、その一点において評価している。

 

主演女優のシガニー・ウィーバーは、まさにハマり役。他の女優では、このシリーズは成立しないのではないだろうか、と思うくらいだ。

 

元祖「エイリアン」は別格として、シリーズの2作目が最も優れているし、面白いのではないだろうか。

 

まだ「エイリアン」シリーズを一作も観ていない人は、邪道がかもしれないが、「エイリアン2」から入るのも良いと思う。

 

「エイリアン2」はこちらから鑑賞可能です

 

そうすれば、面白すぎて、たぶん続けて全作を鑑賞することになるだろう。繰り返すが、4は回避することをお勧めする。

 

話を「エイリアン2」に戻そう。

 

子役の少女が素晴らしい。シガニー・ウィーバーと少女の関係性の変化の描き方が、ていねいで感情移入できた。

天使ふたたび~風花未来の詩32

風花未来の今日の詩は「天使ふたたび」です。

 

天使ふたたび

 

「今日は天使が来ない」と

あきらめかけていた時

 

化学療法室の午後3半すぎ

抗がん剤投与が終わる頃になって

その白い光がカーテンを開けた

 

天使がマスクもせずに顔をさらして

あらわれたのは初めてだった

 

天使は少し首をかしげ微笑み

「またここで逢いましょうね」

とだけ言って消えてしまった

 

今日追加された薬のためか

投与中にも体の変化をおぼえ

ぐったりとしていた時に

天使が姿あらわし

私の気持ちは軽くなった

 

「抗がん剤投与は続けたほうがいい」と

白い人は告げたかったのか

 

副作用は強くなるだろう

でも私は

この化学療法室に

また来ると決めた

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