風花未来の今日の詩は「天使ふたたび」です。
天使ふたたび
「今日は天使が来ない」と
あきらめかけていた時
化学療法室の午後3半すぎ
抗がん剤投与が終わる頃になって
その白い光がカーテンを開けた
天使がマスクもせずに顔をさらして
あらわれたのは初めてだった
天使は少し首をかしげ微笑み
「またここで逢いましょうね」
とだけ言って消えてしまった
今日追加された薬のためか
投与中にも体の変化をおぼえ
ぐったりとしていた時に
天使が姿あらわし
私の気持ちは軽くなった
「抗がん剤投与は続けたほうがいい」と
白い人は告げたかったのか
副作用は強くなるだろう
でも私は
この化学療法室に
また来ると決めた