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魂の三部作「奇跡の太陽」のイメージ画像

 

風花未来です。「苦難の先に見える希望」をテーマに綴ってきたこのシリーズも、今日でひとつの到達点を迎えます。

 

最初は、薬液の霧に迷い込んだ「隠れんぼ」。

 

次は、森の奥で原点の自分と再会した「しーちゃん」。

 

そして今、私は森を抜け、大きく開けた視界の中に立っています。

 

目の前にあるのは、圧倒的な「光」です。

 

今日ご紹介する詩は、私が最も過酷な治療の淵にいた時、世界と、そして宇宙と「直結」した瞬間の記録です。

 

医学や理屈を超えた場所で、命が燃え上がる音を聴いてください。

 

奇跡の太陽

 

とてつもなく

大きくなった太陽が

明滅し

震え

燃え

揺れながら

西の地平線に

沈んでゆく

 

ちょうど一年前

今日と同じ

巨大な太陽を見た

 

あの時も やはり

抗がん剤投与を

始めた直後だった

 

なぜ こんなに

太陽が大きくなっているのか

しかも まるで

生き物のように

身震いしている

 

この巨大な太陽を

気象学的に

説明できる人は

いるだろうか

 

また 医師は

抗がん剤の投与を

半年ぶりに再開したために

その副作用で

太陽が震えて見える

そう 説明するのかもしれない

 

そういった説明は

わたしには関係ない

 

わたしを真っ直ぐに

見つめている

 

いや

見守ってくれている

 

この太陽と

わたしは 今

一体となっているのだから

 

劇薬の体内注入は

これからも 続く

 

しかし

この巨大な太陽との

けがれなき交信があれば

わたしが

生きる希望を

失うことはない

 

巨大な太陽は いま

激しく明滅してながら

歓びの歌をうたっている

 

【作品解説】「副作用」ではなく「共振」として

 

抗がん剤治療を再開した直後、視界が揺らぐことがあります。

 

医師に問えば、「それは薬の影響による視覚異常です」と冷静に告げられるでしょう。

 

しかし、詩人の眼は、それを単なる生理現象としては捉えません。

 

目の前の太陽が、なぜこれほど巨大に見えるのか。

 

なぜ、まるで生き物のように激しく震え、明滅しているのか。

 

それは、私の命が震えているからであり、太陽がそれに呼応してくれているからです。

 

これを「けがれなき交信」と呼ばずして、何と呼ぶでしょう。

 

肉体には「劇薬」が注入されています。それは苦しく、過酷な現実です。

 

けれど、魂には「太陽の炎」が注入されているのです。

 

詩の最後、震える太陽は「歓びの歌」をうたっています。

 

悲しみの歌でも、鎮魂歌でもありません。「歓び」です。

 

今、生きていること。痛みを伴いながらも、世界と繋がっていること。そのこと自体への、根源的な肯定です。

 

理屈で説明できることが、この世の全てではありません。

 

もしあなたが、耐え難い苦しみの中で、世界が歪んで見えるような時があったなら。

 

どうか、それを「不調」として片付けるだけでなく、あなたを見守る大きな力が、あなたに合わせて震えてくれているのだと感じてみてください。

 

森を抜け、空を見上げれば、そこには必ず、あなただけの太陽が燃えています。

 

その光と一体になった時、私たちはどんな翼よりも高く、飛翔できるはずなのです。