間違えやすい日本語シリーズをお届けします。

 

今回の問題は、以下のとおり。

 

 

「新規巻き直し」と「新規蒔き直し」はどちらが正しい?

 

 

「大辞林」では「しんきまきなおし」のことを以下のように解説しています。

 

 

しんきまきなおし【新規蒔き直し】

 

はじめに戻ってもう一度新たにやり直すこと。 「 -を図る」

 

 

では、「実用日本語表現辞典」を見てみましょう。

 

 

新規まき直し

読み方:しんきまきなおし
別表記:新規蒔き直し

物事を最初からやり直すこと、改めて一から出発し直すことを意味する表現。単に「蒔き直し」ともいう。

 

 

この2つの辞書を読んでわかるのは、明らかに「新規巻き直し」は間違いであること。

 

そして「しんきまきなおし」の一般的な表記は「新規まき直し」であり、「新規蒔き直し」の「蒔」は表外字。表外字(ひょうがいじ)とは、常用漢字表にない文字のことで、表外漢字とも呼びます。

 

したがって、「新規巻き直し」と「新規蒔き直し」はどちららも正解ではなく、正解は「新規まき直し」なのです。

 

しかし、文英堂「21世紀日本語表記辞典」によれば、「新規巻き直し」が正しいとされているそうです。参考→新規蒔き直し、新規巻き直し、新規まき直し

 

ただ、辞書それぞれの見解はおくとして、日本語の感覚としては「新規巻き直し」という表記も、自然な感じはしますね。時計やオルゴールのネジを巻き直す。

 

あるいは、独楽(こま)に使うヒモを巻き直すということは「新たに物事をやり直す」というイメージを浮かべやすいことも確かですね。