日本人の年間の自殺者の数が、とうとう14年間連続で3万人を超えてしまいました。

一年ほど前に当ブログではこんな記事を書いています⇒自殺者が13年連続3万人を超えてしまった。

2012年6月8日、政府が公表した24年版「自殺対策白書」によりますと、平成23年の自殺者は3万651人と、10年以来初めて3万1千人を下まわりました。自殺対策白書はこちら⇒自殺対策白書

しかし、学生など若者の自殺者が増えているのが、非常に気にかかります。

以下は「イザ・ニュース」からの引用。

白書によると、23年の大学生などの自殺は、前年比101人増の1029人で、調査を開始した昭和53年以来初めて千人を突破した。内閣府は「雇用情勢の悪化」を一因に挙げている。警察庁の統計では、「就職失敗」による10~20代の自殺者数は平成19年の60人から23年は150人にまで増加している。

大学新卒者の就職率(4月1日現在)は過去最低だった23年の91・0%から24年は93・6%と4年ぶりに上昇したが「改善とまではいえない。実際に80社以上申し込んでも内定が得られないという学生もいる」(大学関係者)。

全国自死遺族総合支援センターの杉本脩子代表は「何度も落ちることで次第に追い込まれ、『自分には価値がないのではないか』と孤立感を深めていくのでは」と分析する。

「就職できないという原因から自殺する」若者が多いといいますが、本当にそうなのでしょうか。

これだけ情報が増え、人生の価値観も多様化し、進路の選択肢も増え、学校を卒業しても「就職したくない」と考えるのが正常だと思うのです。

就職できないのではなく、ぜひやってみたいことが見つからない、働きたい意欲がわいてこないのかもしれません。

ですから、就職できないから自殺するのではなく、社会に出たくない、働きたくない、将来に夢や希望が抱けないというのが自殺の原因だと考えた方が、妥当だと感じます。

その意味から、雇用機会を増やせば若者の自殺は減るというわけではないでしょう。

若者たちが経済的に追い詰められているという状況は少ないので、経済的な問題ではなく、もっと根本的な問題を見すえる必要があると思うのです。

その根本的な問題については、別の機会に語ることにします。