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山田太一が脚本を担当したドラマ「それぞれの秋」のDVDが届いたので、一気に見終えました。

木下惠介生誕100年 木下恵介・人間の歌シリーズ それぞれの秋 DVD-BOX

この「それぞれの秋」は、家族ドラマの最高峰である、という言葉が浮かんだのですが、あのドラマさえなければ、ちゅうちょなく、そう書いたでしょうけれど。

あのドラマとは、同じく山田太一が書いた「岸辺のアルバム」です。

さて「それぞれの秋」といっても、ほとんどの人は見ていないでしょう。私も今回、初めて鑑賞しました。

「それぞれの秋」は、1973年9月6日から12月13日までTBS系列の木曜22:00~22:56、木下恵介の「人間の歌シリーズ」枠で放送されました。

5人家族の物語。父親役を小林桂樹が、母親役を久我美子が演じています。久我美子は黒澤明の映画で見るくらいですが、お嬢様育ちで真面目で勝気な母親役を好演。女優としての評価をかなり上げなければいけないと感じました。

小林桂樹は演技派の俳優さんとして有名ですが、さすがに上手い。演技力だけで楽しめる俳優さんですね。

長男を林隆三、次男を小倉一郎、末っ子を高沢順子が演じているのですが、それぞれのキャラが派手ではないけれど立っていて、ドラマとしての厚みは充分。

それに、スケバン役として桃井かおりが出演し、異彩を放っています。小倉一郎との関係は笑えます。

かなり良い家族ドラマですが、実は最初の3話ぐらいまでは、大したことないと感じていて挫折しそうになりました。ところが、小さなトラブルが、とてつもない家族戦争のようになってゆく過程で、のめりこんでしまったのです。

木下恵介に山田太一は「好きなように書いていいよ」を言われたそうです。確かに、木下恵介の企画となっていますが、随所に後の「山田太一節」といわれるセリフ回しの片りんがうかがわれ、その点も興味深く鑑賞できました。

岸辺のアルバム」のセリフには剃刀のような切れ味があります。一方「それぞれの秋」は木刀です。この木刀で叩かれたら、あばら骨の数本は簡単に折れてしまう、それくらい迫力のある木刀であり、決して竹刀ではないのです。

ナヨナヨとした次男役の小倉一郎が実に効いており、彼のナレーションもすばらしかったことを付けつかえておきます。

美しい日本語で書かれた作品をまとめました。


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