言葉そのものが似ているために、間違えやすい日本語もあります。その代表が「いやがうえにも」と「いやがおうでも」です。

 

一見すると、同じような言葉に見えますよね。さっそく例をあげながら解説いたします。

 

 

×サッカーのワールドカップの出場権がかかった最終戦のために、スタジアムはいやがおうでも盛り上がった。

 

サッカーのワールドカップの出場権がかかった最終戦のために、スタジアムはいやがうえにも盛り上がった。

 

 

上の例文の場合、「いやがおうでも」が間違いで「いやがうえにも」が正しいのです。その理由は以下のとおり。

いやがおうでも

 

「いやがおうでも」は「否が応でも」と書きます。

 

「否が応でも」は「いやでも応でも」「いやも応もなく」の類義語。「好むと好まないとにかかわらず」「とにかく」「ぜひとも」「何としてでも」などの意味で使います。

 

いやがうえにも

 

一方、「いやがうえにも」は「弥(彌)が上にも」と書きます。「弥(彌)」は「状態がだんだんはなはだしくなる様子」を表す言葉。「弥栄(いやさか)」は「ますます栄えること」の意。

 

したがって「いやが上にも」は、「ただでさえはなはだしい状態なのに、それに加えてさらに」「なお、その上にますます。なお、いっそう」といったう意味になります。

 

「嫌が上にも」は間違いなので注意が必要です。