沖縄のジャンヌダルクと呼ばれる、我那覇真子(がなはまさこ)が「母性に捧ぐ」という桜沢如一(さくらざわゆきかず)の詩を、講演で紹介されていました。
たいへん印象深い詩でしたので、ご紹介することにします。
かなり長いのですが、作者の熱い思いが伝わってくるので、読んでいるうつにのめりこんでしました。
今回は敬語の「させていただく」「させていただきます」の誤用問題について考えてみましょう。
インターネットで「させていただく」「させていただきます」を検索しますと「させていただく症候群」とか「させていただきます 誤用 乱用」といったキーワードが入った記事タイトルが多数見つかりました。「させていただく」「させていただきます」問題には、侮り難い深い病理がひそんでいるのかもしれません。
大辞泉は「させていただく」を以下のように説明しています。
させていただ・く
相手に許しを請うことによって、ある動作を遠慮しながら行う意を表す。「私が司会を―・きます」
また新語探検は、次のように解説。
させていただく
最近の若者に目立つことばづかい。もともとは、自分の行為を相手に許可してもらい、それによって相手に対してへりくだった気持ちを表すことばだが、最近では「私は○○高校を卒業させていただきました」とか「先生のご著書を読ませていただきました」といった言い方が増えている。
高校を卒業したのは自分の実力であって、教師の恩恵によって卒業できたのではない。作家の著書を購入して読むのも自分の意思であって、作家から贈呈されて読んだのでなければ、本来の用法からすると誤りである。
実際には受けていない許可や恩恵を受けているかのように見立てて、相手を敬っていることを示す丁寧表現のつもりで使っているようだ。
「させていただく」「させていただきます」は、相手から「許可」や「恩恵」を受ける場合に使う表現であって、それ以外では「いたします」、あるいは他の言葉を使うべきです……というのが、一般的な解説でしょう。
はかない命を歌いつつも、その歌そのものは、永遠の命を得ている……そんな奇跡のような短歌があります。現代的な感覚にもマッチするので、短歌というよりも一行詩と呼んだ方が良いかもしれません。
世のなかに光も立てず星屑の落ちては消ゆるあはれ星屑
あの有名な純愛小説「野菊の墓」の作者である、伊藤左千夫の短歌です。
複雑なことは歌っていませんね。はかない命を、光ることもなく消えてゆく星にたとえることで象徴的に詠じています。
「世のなかに」という一語で、空を流れる星のことを歌っていないのがわかります。星そのものを歌うとしたら「この宇宙で」となるはずです。
この歌を私がどこで知ったかをお伝えすると、この短歌の意味がさらにわかりやすくなるかと思います。 この記事の続きを読む